「アクチュアリーの1次試験を勉強する正しい順序がわからない」

「先輩に聞いても、人によって言うことが違って、どれが正しいのかわからない」

「どんな人にでも共通の順序を定めるのが無理なことはわかったので、自分に合った順序が知りたい」

そんなお悩みを解決する記事です。

結局、どうすればいいのさ

もう、そんな悩みとはおさらばです。

先輩たちの意見を、この記事に残しました。

この記事はさらに、MAXITの講師陣によって随時加筆していきます。

この記事の方針(先輩のマジョリティの意見)

この記事で紹介するのは、過去に科目合格者100人以上を見てきた経験から、平均を取った方法です。

アクチュアリーの試験勉強には、人によって流派がいろいろあります。その中で、本当に良いやり方を学ぶのは案外難しいもの。

このページでは、過去に100人以上の合格者を見てきた経験をもとにして、情報をまとめています。

「ビッグデータの平均はこういった勉強法になる」という情報として、活用していただければ幸いです。

それでは、さっそく内容に入っていきましょう!

アクチュアリー1次試験は5科目

アクチュアリーの一次試験は全部で5科目あります。

数学

生保数理

損保数理

年金数理

会計・経済・投資理論

です。

アクチュアリー試験の受験を決めた直後に悩むのが「どの科目から受験するか」です。

あまりに選択肢が多く、そのわりに情報が出回っていないので、ここで選択を間違えてしまい、大きく時間をロスしてしまう人が多発してしまいます。

それは、とてももったいないことです。

そこで、この記事では、一次試験のオススメの受験の順番を紹介します。

適宜場合分けを行いながら説明していきたいと思います。

その前に、前提知識を簡単に説明していきます。

各科目の位置づけ

以下で詳しく説明していきますが、ざっくりマトリクスでまとめます。

軸については、よく聞かれる「難易度」「文理」を用いました。

1科目あたりの勉強時間

トータルで1000時間程度と言われています。

現在の知識内容によって変動はありますが、だいたいその程度を予想しておきましょう。

年間の学習プランを計画する上でも、1科目あたり最低200時間は見積もる必要があります。

たとえば毎日2時間の勉強であれば、1科目あたり3~4か月程度です。

会社員の方であれば、会社終わりにほぼ毎日勉強時間を取って、やっと達成できるイメージでしょう。

もしも、勉強の計画を誤ってしまうと、この倍の時間がかかってしまうこともあります。

逆に、良い計画を立てられれば、半分の時間で済むこともあります。

(MAXITの講座では、最短経路で合格するためのメソッドを学べます)

ノウハウが出回っていない分、正確な情報がとても大事だね

限りある時間を、できれば有効活用したいもの。

そう考えると、しっかりと勉強計画を立ててから始める重要性がわかりますね。

科目別の合格率とその解釈

合格率を見て気にしている人が多いと思うので、説明していきます。

科目別の合格率

合格率は、合格者数を受験者数で割ったものです。

アクチュアリー会のデータによると、以下のようになっています。

合格率が高い科目:KKT

合格率が低い科目:数学と損保数理

このデータを見ても、どうやってとらえればよいのかわかりませんね。

この解釈を、以下で述べていきます。

解釈

この数字を見て、

合格率と難易度は比例している!

そう思うのは、ちょっと待ってください。

そんなことはありません。

というのも、数学の合格率が低いのは、数学の難易度が一番低いので、「お試し受験組」が殺到していることが背景にあります。なので、見かけ上の受験者数は多くなっています。その中で、本気で合格を目指すガチ勢は限られています。また、損保が難しいことは確かですが、一般的に一次試験の最難関は年金といわれています。

年金の方が、受験する母数が「実力者組」が多いので、母数のレベルが高いのです。

KKTは、試験自体が簡単なので、妥当な数値が出ていると思われます。また、数学に比べて「お試し受験組」が少ないのが要因としてあるでしょう。

まずは、どんな人でも数学が最優先

アクチュアリー 一次試験で最初に受けるべき科目は「数学」です。

数学はすべての基礎

「数学」は基礎です。

ここを疎かにすると他の科目(特に損保数理)の学習の効率が悪くなります。

「損保数理がわからない」と嘆いている人の中には、「数学」、特に統計学の知識が抜け落ちている場合も多いです。なので、損保数理の講座でも、数学に戻って、必要な知識をつけてから損保数理に戻ることもあります。

今後に効いてくる分野である上に、他の科目の知識を数学に使うことはあまりありません。

まずは数学を受けるのが定石というのは、多くの人の共通認識です。

時期的な問題(大学受験の記憶・実務との親和性)

また、「数学」の合格のためには、最低限の高校数学の理解が必須です。

ですので、大学受験の記憶があるうちに受験した方が良いでしょう。

普通に大学数学をやっていると、大学受験の頃の知識は徐々に抜け落ちてきますからね。

社会人としてバリバリ仕事をしながら数学の勉強をするのも、それはそれで難しいものがあります。


というのは、アクチュアリーと言えど日々の業務でバリバリ微積をこなしているわけではありません。

その計算結果を直接使い、業務をこなしていくことが通常です。

つまり、年齢を重ねるごとに計算能力が錆び付いていきます。

これは、多くの正会員、準会員の社会人も述べるところです。

「若いうちに数学を勉強しておいた方がいい」と多くの人が言っています。

実務の感覚に慣れるにつれて、バリバリ微積をこなす必要のある数学に合格することが困難になっていきます。

(できるかもしれませんが、実務との相乗効果で考えて、明らかに効率は悪くなってきます)

文系の場合は試金石として

また、特に文系の人にとって「数学」は他の4科目よりも難しく感じることでしょう。

その意味で、今後本当にアクチュアリーを目指すべきかどうか決めるために数学は試金石として活用できると思います。

数学を受験してみて、「この勉強は自分に向いていそうだ」と思ったら、迷いなくアクチュアリーを志望して、就活や転職活動などを進めていくことができるでしょう。

この判断は、なるべく早い段階におこなった方が得です。

就職して、アクチュアリー候補生としてキャリアを積んでいく中で、

「本当はアクチュアリーに適性がなかった」

と気づくのが一番悲惨です。

こういった状況を防ぐために、「まずは数学を受けてみる」ことは特に文系の人にはおすすめです。

もしも受かれば、

「文系だけど数学ができる人と対等に戦える!」

「アクチュアリーとして、やっていけそう!」

という自信が身につき、「文系である」という漠然としたコンプレックスにさいなまれることも減ることでしょう。

マインドセット的な意味でも、試験は大きな意味を持ちます。

まずは、どんな場合であっても数学の勉強から始めましょう。

次は、基本的にKKT

「数学」合格後に受けるべきは「会計・経済・投資理論(KKT)」です。

これは「KKT」が「数学」と反対に位置する科目だからです。

インプット量と計算量、ふたつの軸で見たとき、これらの科目は反対に位置します。

(難易度という軸では、両方とも最も簡単な部類です)

数学:新しくインプットする量は少ない、一方で計算量は多い

KKT:新しくインプットする量が多い、一方で計算量は少ない 

まずはこの違いを押さえておきましょう。

KKTもすんなり受かるようであれば、文系的な素養はある程度あります。逆に、KKTで挫折してしまう人は、この後で直面する文系的な科目に苦しむと思います。

たとえば、年金数理では、文系的な説明が多くなってきます。

二次試験では、さらに文系的な要素が多くなります。

これは、二次試験の教科書を見てみると明らかです。

経営的な話、法律的な話が多くなり、数式を扱うことは少なくなってきます。

ちなみに、実務においても、文系的な素養が必要とされます。

特に、経理部では、KKTの知識を最低限おさえられる文系的な素養がないと厳しいような業務も多いです。

数学系の人は、このKKTで苦労する人も多いと思います。KKTは、数学系の人にとってアクチュアリーへの試金石になるのです。

文系と理系、両方のスキルがないとなることができない選ばれた職業こそがアクチュアリーなのです。

その後は、生保数理か損保数理好きな方を受けましょう。ここはどちらでも大丈夫です。

ただし、年金数理だけは生保の後で受けましょう。生保数理に合格していない状態では、年金数理の教科書を理解することができません。

ここまで説明してきましたが、絶対に受験の順序が決まっているのは年金数理だけです。年金数理は生保の後で、とだけ意識しておけば、興味を持った科目から受けてみるのもありかな、と思います。

複数科目の同時受験について

「一年に1科目づつではなく、複数科目合格したい!」

その気持ち、よく分かります。

しかし 、特に初受験では、複数科目の受験は避けた方が良いでしょう。

なぜなら、多くの人にとって、無謀だからです。

複数の科目を受験してしまうと、1科目ずつに時間を配分することができなくなってしまい、辛くなってしまいます。

初年度はあくまで数学だけ、同時受験するにしてもKKTくらいにするのがオススメです。

【順序が決まっているもの】損保は数学の後で、年金は生保の後で

まず何を受けたらよいの?

この問いに対する答えは、概ね上記のように、「数学かKKTを受けるのが良い」となります。

そのうえで、数学とKKTの次に受けるものを紹介していきます。

アクチュアリー試験で、受ける順序が決まっているものとして、「損保は数学に合格した後」「年金は生保に合格した後」というのが通説です。

これは、損保の前提知識に数学が使われていて、同様に年金の前提知識に生保が使われているからです。

ちなみに、生保は特に前提知識がいらないので、いつ受けても大丈夫です。

一般的には、数学と同時に受験する人が多いです。

【例外パターン】経済学部の就活生

経済学部では、KKTの知識を大学で学習します。

そして、学部卒で就活をすることが多いはずです。

この場合は、KKTを大学3年生の12月に受験しておくことで、就活時にKKTの科目持ちでのぞむことができ、有利です。

このパターンでは特に、初年度のKKT受験を強くおすすめしています。

経済学部の就活生は、KKTをおすすめします。また、数学系の人に比べて数学の授業が少ないと思うので、数学能力の試金石的な立ち位置として、また、数学能力の証明として、できれば数学も受験しておくことをオススメしています。

【例外パターン】アクチュアリーとして転職を考えている場合

転職を考えている30代前半以降の人は、なるべく早く科目を取得する必要があります。

というのも、アクチュアリー転職の要件として、

「〇科目合格」

「準会員」

といった条件が課されていることも多いからです。

通常は生保に合格してから年金、といった受験対策をするのですが、1年の違いが大きなインパクトを生みやすい転職組は、生保を12月~6月で身に着けて、それ以降は年金の勉強をして、同年度に両方とも受けるパターンの人もいます。

(事実、このパターンで準会員になった人もいます)

転職先として考えている企業名が明確な場合は、よく要件を確認したうえで、逆算しましょう。

【迷ったらこうしよう】生保数理と損保数理どちらを先に受けるか

生保数理と損保数理のどちらを先に受けるのがいいのか、とよく聞かれます。

結論から言うと、以下のようになります。

通常は、生保数理

特に数学が得意、または好きであれば損保数理

となります。

これらは、同じ年度に受ける人も多いです。

就活生の方は、生保を受けるのなら生保数理、損保を受けるのなら損保数理という基準の人もいます。

【迷ったらこうしよう】多くの科目を受けるかどうか

「何科目を一年で受けるのが良いですか」とよく聞かれます。

こちらへの回答も、載せておきます。

結論から言うと、「勉強できる範囲で、なるべくたくさん」受けるのが正解です。

というのも、年によって試験の難易度は揺れます。

正直、運ゲー的な要素もかなりあると思います、簡単な年にあたると、通常よりも少ない勉強で儲かることも多いです。

そして、なるべくたくさんの科目を受けることで、難易度の低い年にいずれかの試験を通る可能性は高くなります。よって、確率論的に、たくさんの科目を受けるのが最適だと言う判断をする人が多いです。

もちろん1科目ずつの対策がおろそかになるのはいけません。

しかし、80点を90点にあげるのと、50点を60点にあげるのは、当然ながら後者の方が簡単です。

なので、合格点をある程度上回る実力がついてきたなと思ったら、他の科目も並行して勉強し、1年あたりの受験科目数を増やしていくのは非常にオススメです。

受かるかどうか五分五分、といえる科目を増やしていき、難易度の低い年を引くことを願いながら、着実に毎年勉強を重ねていくと、数年間で全科目の取得ができるイメージです。

年金数理は最後にする人がおおい

年金数理は、一次試験で最難関と言われます。

また、アクチュアリー一次試験の実績の測り方として、企業からは、

「何科目受かったのか」

と評価されることが多いです。

よって、早めに難易度の低い科目を合格しておく戦略の人が多いので、年金数理は最後に残されがちです。

4科目合格、という人は、だいたい年金数理のイメージです。

参考書籍

以下の書籍に、より詳しい対策法が書いてあります。

kindle unlimited会員は無料で読めるので、参照してみてください!

関東アクチュアリー試験勉強サークルの著書です。

まとめ

受験する順序によって、効率は大きく変わってきます。

せっかく勉強をするのなら、最短の時間で、最大の効果を出したいものです。

MAXITの以下の講座でも、そのお手伝いをしています。

体験講義では試験勉強に関する質問にお答えしているので、疑問点はなんでもご質問ください!