【アクチュアリー1次試験】「生保数理」の勉強法で大事な5つのポイント!【参考書・数学との関連性など】

Illustration of life insurance

生保数理の勉強法がわからない

どんな対策をすれば生保数理に効率的に合格することができるの?

どんな参考書を使えばいいの?使い方や、重要な箇所は?

そんなお悩みにこたえる記事です。

この記事で得られるもの

・生保数理を短い時間で勉強する勉強法が分かる

・どんな参考書を、どんなタイミングで使えばいいのかがわかる。

・生保数理の特徴がわかり、他の科目とは違うポイントを理解し、どんな姿勢で勉強していけばよいのかわかる

この記事の信頼性

・アクチュアリー1次試験生保数理に合格した複数人が会議して内容を決定

・インターネット上に出ている生保の勉強法を読んだうえで、自身の体験を交えた発信

・時代に応じてアップデート。アクチュアリー専門塾の監修

 アクチュアリーの資格は、高度な数学の問題を解くことが求められる難関な試験です。ですが、アクチュアリーになると、日本では保険数理士として確率論や統計学などを駆使し、保険会社での保険料の算定や年金の金額を決定できます。つまり、その他でも数理の分野でのスペシャリストとしてビジネスの場で活躍できることになります。また、合格者は国際資格の「CERA」を受験することも可能になるため、世界でグローバルな活躍も期待できます。

アクチュアリーの試験は、第1試験と第2試験があります。第1試験は「数学」「生保数理」「損保数理」「年金数理」「会計・経済・投資理論」の5科目があります。1科目を合格すると研究員になり、全科目を合格すると準会員となります。第2試験に合格すると正会員です。

第1試験の科目の中で、生保数理は合格率が上がっています。生保数理は、テキストの問題からの出題率が高いため、点数を取りやすい科目です。生保数理の難しい問題は、その分高い得点配分となっています。

これから、アクチュアリー第1試験の科目、生保数理を勉強するにあたり、効率の良い勉強法を5つご紹介していきます。生保数理の試験勉強を合格に向けて順調に行い、ぜひ成果を出しましょう。

生保数理の勉強法1:テキストと参考書選び

 最初にテキストを選びます。アクチュアリーのホームページには、参考書籍のご案内がありますので、ぜひご覧ください。生保数理の教科書は、日本アクチュアリー会が発行元の『二見隆:生命保険数学』上下巻が掲載されています。(1冊2500円)。

加えて参考書も指定されており、『アクチュアリーのための生命保険数学入門』(京都大学理学部アクチュアリーサイエンス部門(岩波書店)が紹介されています。確率の理論また実務に適した、数少ない生保理論の参考書です。

この本以外でも、生命保険自体への理解を深めるために、一般的な書籍のあるコーナーの「保険の仕組み」的なところを見てみるのもオススメ。

最近は、インターネット上にも良い情報源がたくさんあります。保険についてわかりやすく解説されたサイトを参照してみるなどして、保険の概要を掴みましょう。

その後であれば、数式的な細かい情報も入ってきやすいでしょう。まず大事なのは、全体像を頭に入れること。その後であれば、自然と数式も理解しながらすんなりと頭に入れることができます。

 過去問は、1962年からのものが全てアクチュアリーのホームページに掲載されています。試験では過去問が作り直されて出題されているので、全ての過去問をチェックしておきたいかもしれません。

しかし、過去問は多くありますので、効率良く試験対策をするために、過去問から出題頻度の高い問題を選んで勉強することもできます。特に重要なのは、直近の10年分。これらの過去問を最低限クリアしておくことで、直近の傾向に即した対策をしていくことが可能になります。

昔のもの過ぎると、問題の出題傾向が違ったりして、いろいろとコスパが悪いです。一番最近の年度のものだけ残しておいて、とりあえず直近の10年分をやりましょう。その後で、時間がもし余っていればさかのぼるのが良いでしょう。(どちらかというと、直近の10年分を何度もこなして、完璧にする方が優先度としては高いです)

生保数理の勉強法2:数学の勉強から始める

テキストを選んだら、先に数学の勉強をすることをお勧めします。生保数理は、保険料を求めますが、予定死亡率・予定利率・予定事業費率を計算するため、確率や統計学などの高度な数学が必要です。

ちなみに、試験を受験する順序については、以下の記事でより詳しく解説しています。

 大事なのは、しっかりと順番を踏まえて勉強して、1次試験の勉強全体での効率を最大化することです。生保は、特に文系の人にとっては、数学の最低限の知識がないと辛くなってくるところです。数学の参考書を読んで、知識を身に着けておきましょう。

最低限の知識を身に着けるためのおすすめは、『統計学入門』です。

統計学の本格的な知識が、やさしい言葉で書かれています。

文系でも、アクチュアリーを目指す人であれば問題なく読めるでしょう。

その前に、ステップとして基本の高校・大学の数学をクリアし、確率・統計を勉強することもできます。

 生保数理を勉強する順序は、テキストの最初からに限らず、試験に出題する頻度が高い問題から取り組む方法も効果的です。

営業保険料、責任準備金など、生保数理の数理的知識から学ぶこともできます。このあたりは、コアの部分なので必ず最初に学びましょう。上巻の、5章までが基礎的な部分となっていてとても重要なのです。

その後、他の保険料の勉強や、項目・章ごとに勉強して、テキスト全体を読み進めましょう。

この順番がとても重要です。順番を間違えると、「なんだこの式は」と思うようになってしまいます。1~3章の内容をまず完璧にして、そのうえで、4,5章の内容を頭に入れ、そしてその先へ向かっていく。この区切り目を意識しつつ、教科書を読み進めていってください。

アクチュアリーの数学は公式テキストで理解できますが、分からない部分は参考書で補足し、問題集や過去問で解けるように段階的に勉強して仕上げていきましょう。

問題を解く近道は、後程4番目でご紹介します。

生保数理の勉強法3:試験範囲に集中する

 生保数理の試験では、出題範囲がテキストに限定されています。その中でも、テキストの中で重点を置いて勉強する必要のある範囲がほぼ決まっています。

生保数理を理解するためには、テキストで「純保険料」「責任準備金の算出」を集中した勉強法が重要です。

 詳しく勉強したいのは、上巻では第1章の利息の計算、第2章の生命表と生命関数、第5章の責任準備金(純保険料式)です。下巻では、第7章の営業保険料のセクション1、第8章の実務上の責任準備金、第13章の就業不能に対する諸給付です。

テキストでは、純保険料式や実務上の責任準備金、チルメル式、初年度定期式などが出てきます。その中で、例えば責任準備金には、平準純保険料式とチルメル式の2つがあります。その2つの式の違いを理解し、責任準備金をどちらの式でも計算できるようにしておきたいところです。重要な部分なので、しっかり読んで問題を解けるようになることをお勧めします。

テキストの上巻で公式を理解すると、下巻の「連合生命に関する生命保険および年金」という章の問題を解きやすくなりますし、他にもチルメル式などの問題で点数を取りやすくなります。

全体的にテキストを読み、生保数理の計算論理を理解する仕方の勉強法をしていきましょう。とにかく重要なのは、「各論をあとまわしにすること」です。生保数理の点数がなかなか上がらない人は、ほとんどの場合、基礎的な保険金と保険料を、原理的な部分から理解できていません。

生保数理の勉強法4:問題を解きながらテキストを読む

先に、生保数理では基本となる特殊な記号がありますので、覚える必要があります。それを用いると色々な生保数理の記号を表せますし、その記号を用いて保険料の数式を表すことができます。他にも数学の記号がありますが、記号と意味を結び付けると覚えやすくなります。

使いながら覚えるのも良い方法です。簡単な問題を繰り返し説き進め、自分の頭の中で「数式を和訳」しながら解いていくのです。これは、生保全般で重要な考え方です。数式をしっかり理解していくために、式を日本語で理解しましょう。

テキストの中で集中して勉強する範囲が決まったら、問題集や過去問に取りかかります。問題を見て、答えを出すまでの解答をテキストから学び、解いていく方法です。通常はテキストを読んでから問題を解きますので、逆の方法となります。しかし、先に答えと解答方法をテキストの説明で学ぶなら、問題に答える力とスピードがより速く身に着きます。

答え方のパターンを理解したら、次からは自分の力で問題を解いてみます。分らない部分はテキストを見て、また答え方を覚えましょう。

生保数理は計算量が多いため、問題集や過去問で計算を沢山する必要があります。そのため、勉強時間は人により違いますが、平均で100~300時間くらいです。多くの人は、200時間くらいになるでしょう。(文系の人で、数学の基礎的な部分から学ぶ人は500時間くらいかかるかもしれませんが、時間をかければしっかり合格することのできる試験です)

過去問は全て目を通し、問題を解いておくと試験に十分備えられます。分らない時は、すぐにテキストで確認しましょう。その繰り返しで、問題を解くスピードを上げていきます。スラスラと解けるようになるまで、計算を続けます。

生保数理の勉強法5:試験対策の情報ソース

 試験対策のために、まだできることがあります。最初に数学の勉強から始めるとお伝えしましたが、試験前まで継続して確立や統計学の勉強をして、理解を深めておくことをお勧めします。

アクチュアリーの試験に合格するための対策本も出ていますので(例:アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 数学)ぜひ活用しましょう。ただしこれらの本は、数学の本当に基礎的な部分や、公式を最低限理解した全体で書かれています。はじめから手を出して、自信をなくさないようにしてください。

 また、アクチュアリーのWebサイトには、過去問とともに解説も載っていますので、問題を解いてみて合格点を取れるか確認することができます。過去問は、10年から20年分を解いておくと、不足していた部分があっても正確な理解が得られていきます。

【まとめ】生保数理の勉強法:アクチュアリー「生保数理」の資格を取得する

 ここまで、アクチュアリーの1次試験の科目「生保数理」の勉強法についてお伝えしてきました。数学の難関な試験ですので、アクチュアリー試験合格まで勉強期間が平均8年程かかると言われています。しかし、2020年に公表された生保数理は合格率が高めでしたので(2020年3月のアクチュアリーのWebサイトでは32%)、新たに受験する方々にはアドバイスが多くあります。

たまに、ビッグウェーブと呼ばれる、とても簡単な年にあたることもあります。その年に運よく受けることができれば、もとの実力が合格レベルでなくても、運よく合格、ということもよくあります。最後まであきらめずに、試験対策を進めていきましょう。

 先に勉強し、受験した方々のコツやポイントを、アクチュアリーのWebサイトで調べたりできますし、過去問の解き方も掲載されています。

 生保数理の勉強法は、教科書中心で数学に集中すること、また問題をどんどん解いていくことなど、5つの点もぜひ実践してみてください。

 そして、ぜひ「生保数理」の合格という勉強の成果を出せることを願っています。

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