【アクチュアリー1次試験】生保数理の勉強法【参考書・学習の順序など】

アクチュアリー1次試験の、生保数理の勉強法が分からない

どんな参考書を使えばいいの?

アクチュアリー1次試験生保数理の勉強法を解説します。

いよいよアクチュアリー試験、という試験内容です。

数学と違って、保険用語がバンバン出てくる試験になります。

全体像

暗記科目の色合いが濃い科目です。

1次の5科目の中では比較的過去問の焼き直しが多めの科目で、過去問が最大の重要性を持ちます。

数学や損保数理は計算力が求められますが、生保数理は教科書の通りの計算パターンをどれだけ脳内から引っ張り出せるかが問われます。

ゆえに、定石の暗記が大きな意味を持ちます。

過去の出題の中から、繰り返し出題されるパターンを抽出し、自分の脳内にストックするのです。

初心者でも、教科書の内容を完璧にこなすことで点数を取りやすい科目です。

なので、はじめの年の受験で数学と一緒に受験されることが多いのです。

計算力も、大学の基礎レベルの学力があれば追いつくことができます。

特殊な点としては、生保ならではの記号が多数登場するので、落ち着いてゆっくり学習を進めていきましょう。

はじめは面食らってしまいますが、ひとつひとつの記号の意味は複雑なものではありません。

たまにかなり昔の問題の類題が出てくることがあるので、過去問は可能であれば15〜20年ほどこなしておきましょう。といっても、教科書を読んだらひたすら過去問ゲーなので問題が足りなくなると思います。

出題分野

以下の分野から出題されます。

利息の計算

生命表および生命関数 

脱退残存表

純保険料 

責任準備金(純保険料式) 

計算基礎の変更

営業保険料 

実務上の責任準備金 

解約その他諸変更に伴う計算 

連合生命に関する生命保険および年金 

就業不能(または要介護)に関する諸給付

災害および疾病に関する保険

特に純保険料と責任準備金についてはしっかりと力を入れて勉強しておきましょう。

すべての土台となる部分です。勉強を進めていく中で上記の用語についてそれぞれ定義や計算面での理解を深めていきます。

その他の分野だと、就業不能と連生は出題率高めです。一度覚えて仕舞えば応用は簡単なので、基礎をしっかりと叩き込みましょう。

また、問題ごとの難易度の差が他の科目に比べて激しいです。とはいえ60点を切ってしまうくらいに「捨て問」が多くなることはないので、ごく一部の「解かなくてもいい問題」を見極めて残りを確実にとる、という戦略が大事です。

問題の中には、時間をかけることでしっかりと点数を取れるものがたくさんあるので、「とるべき問題」を確実にとるようにしましょう。

出題傾向の変化は比較的少なく、過去問を解いていても似たような問題に直面することが多いはずです。

必要な前提知識

数学の知識はあることが前提です。

特に微積の知識が必要な計算問題がよく出てきます。

アクチュアリー試験数学の合格後に生保の対策をする人が多い印象です。また、就活におけるインターンシップでしばしば生保数理の知識を持っていると有利なことがあるので、大学3年生のうちに学習を進める、という人もいます。

インターンシップではexcelを使って保険料や保険金の算出をする企業が多いので、手計算というより理論面での理解を「腑に落ちる」まで行うことができると有利になります。

確率・統計の基本的な式と、あとは自然対数などの高校レベルの計算はできるようにしておきましょう。

必要に応じて高校の参考書も参照しましょう。

たとえば、確率論や「論理と集合」あたりの知識は必要になります。

参考書

参考書としては以下の本が使えます。

「生命保険数学」(アクチュアリー会指定教科書)

生保数理に関しては、指定教科書のこの本をやっておけば基本的に十分です。

内容は、めちゃくちゃ良いです。

解説もわかりやすく、痒い所に手が届く証明がついています。難しい言葉が極力おさえられていて、アクチュアリー試験の生保数理を解くために必要な知識が過不足なく身に着けられるような内容です。

教科書に載っている計算系の問題はすべてできるようにしておきましょう。

証明問題については、優先順位は計算問題よりも下になります。試験では計算問題が中心になるからです。まずは、問題が解けることが第一です。

のちほど年金数理の勉強をするときに、生保数理の証明問題も深く理解していないと理解が難しい内容も出てきます。そのときにまた生保数理に戻って、理解を深めましょう。

また、生保数理の段階で証明問題などの式変形に慣れておくと、あとで損保数理の勉強でゴリゴリ式変形をするときにもアレルギーを起こすことなくできると思います。

章末問題がほぼそのまま出題されることもあります。

生保数理の勉強は、基本的に教科書を中心に据えて取り組みましょう。アクチュアリー科目では珍しく、教科書がとても頼りになります。

アクチュアリーのための生命保険数学入門

こちらは、指定教科書だけでは理解できない場所を補うための本です。

教科書とは異なった角度から解説されているので、視野も広がると思われます。

図やグラフが豊富で、視覚的に理解できます。

生保の教科書は解説自体はわかりやすいのですが視覚的に理解できる箇所が少ないんですよね。自分でグラフを書いたりして理解を深める人が多いです。

そこで間違った図を書いてしまったり理解不足のまま進めてしまうと、勘違いをしたまま学習を進めてしまう可能性があります。この本を教科書を併読する使い方をお勧めします。

内容的には教科書との被りも多いので、あくまで補足として使うのがオススメです。

生保数理は損保数理とは異なり、最新の情報がアップデートされることが少ない分野です。なので、既存の教科書であり完成度の高い「生命保険数学」をいかに高い完成度に高められるかどうかが勝負になります。

過去問

数学同様、10~20年分の過去問をやりましょう。

特に生保数理は、過去問との類似性が高い問題が出る科目です。しっかりと過去問をやりこむことが重要です。

学習プラン

勉強法の基礎は数学の章に従うとして、以下のような順序でやっていきます。

生保数理は教科書がしっかりしているので、教科書と過去問で勉強します。

1 テキスト通読

2 テキストの練習問題を解く

3 過去問演習10年分

4 1回目は慣れるために解く

5 2回目はテキストを見つつ、頭に入れていく

6 3回目以降はスピードを上げながら弱点を洗い出す

7 弱点をわかりやすくまとめたノートを作って勉強

それぞれ以下で詳しく見ていきます。

1 テキスト通読

最初は記号の意味・使い方になれて体に馴染ませるように読み込みます。

実際に手を動かして習熟度を高めるために繰り返し学びます。

読むだけでは、なかなか身につきません。

特に生保数理は細かい計算力が大事なので、必ず手を動かしましょう。

教科書は上巻と下巻がありますが、上巻の第1章、2章、4章、5章を集中的に勉強し、純保険料と責任準備金の算出を理解することが重要です。生保数理のすべての核となる部分です。ここにまずは思い切り時間を割きましょう。下巻を読むときの理解度に、かなり差が出てきます。

第3章は下巻の第13章の就業不能の問題と関連性が高いので、後回しにしてもかまいません。必要に応じて、後で読むことができます。

それぞれ独立した分野といった感じなので、上巻ほど後にも響きません。また、数学系のOSを脳内に持っているセンスのある人は、このあたりは「上巻の応用問題だな」と思えるでしょう。

上巻の基本的な公式を覚えた後は、下巻の連合生命や多重脱退、チルメル式責準等の問題に手を付けていきやすくなります。

このへんの内容は特殊な数式が続くので、それぞれに対してある程度は慣れが必要になります。必ず問題演習を中心にして習熟していってください。

教科書をこなす順序は、以下の順でやっている合格者が多いです。

1→2→4→5→7→8→9→12→3→13→6→14

下巻は点差の付きやすいポイントが多くあるので過去問と合わせてムラなく対策しておくことが重要です。実際にどのように出題されているのか、過去問を通して実感してみてください。テキストを解くのとはまた違ったイメージを感じるはずです。

2 テキストの練習問題を解く

生保数理の練習問題はしっかりしているので、テキストの確認の意味で練習問題を解くのが効果的です。

目安として、各章を読み終えるごとに練習問題を解く時間をとって、やってみるのが良いでしょう。

すべての章を読み終えたときにスムーズに過去問演習に入れるように、分からないポイントは教科書を読んで理解を深めましょう。

ちなみに、章末問題の中でも難しい証明問題の多くは試験レベルを超えています。解けない問題があっても凹まないようにしましょう。あくまで、試験本番の難易度が最終到達点です。

3 過去問演習10年分

過去問にしっかり取り組めば、演習量は不足ないと思います。

10年分やれば、試験会場でも慌てることなく実力を発揮できるでしょう。

「もしこの前提がこう変わったら、解けるだろうか?」

「それはなぜ?」

といった具合に、問題を解きながら自問自答しましょう。生保数理の問題の論理構成や、解答に必要な要素について理解が深まるはずです。

1次の5科目の中では比較的過去問の焼き直しが多めの科目なので、過去問中心の勉強はオススメの勉強方法です。他の科目に比べて、とてもシンプルな勉強法で合格点に達することができます。

生保数理の記号にいち早く慣れることが勉強の鍵となります。

初見だと

「なんだこれ!?」

と思ってしまうような記号がたくさん出てきます。

数学をやっていてもまず目にしないような記号の羅列ですが、ひるまずに一個ずつ理解していってください。数式の内容を和訳してみると、意外と大したことは言っていないとわかるはずです。

4 1回目は慣れるために解く

1回目から完璧に解ける必要はありません。

まずは慣れるために、サッと解いていきましょう。

このとき、問題の意図をきちんと言語化して、解答のポイントだけは見ておきましょう。

「これは、~~のときに・・・する問題だから、あの公式を使う」

とたまに分かる問題があれば上出来です。

教科書を読んで理解できている証拠なので、自信を持ってください。今後演習を積んでいくことで、実際の問題にも適応できるようになるはずです。

5 2回目はテキストを見つつ、頭に入れていく

2回目は、試験問題の解答を理解していくことが目的です。

解答を読んで、また解きなおして…といったプロセスを繰り返して、問題への理解度を高めていきましょう。

6 3回目以降はスピードを上げながら弱点を洗い出す

スピードを上げようと思うことで、頭にもっと定着させることができます。素早く頭の中から知識を取り出す練習になります。

7 弱点をわかりやすくまとめたノートを作って勉強

これは数学の勉強と同じですね。

要点に絞って、コスパのいい復習をしましょう。

生保数理は使うべき公式がはっきりしているので、公式集を作ってみる勉強法もおすすめです。

すべて網羅しようとするととんでもない量になってしまうので、演習の量を積んだタイミングで定着の遅い公式に絞ってノートにまとめましょう。

たまに「こんなの導出すればよくない?」と思ってしまう式もありますが、時間があるのなら必ず覚えるようにしましょう。

公式をたくさん覚えておくことのメリットは、「試験本番でショートカットできる」ことです。

公式を余分に覚えておくことで、本来は導出して公式を作るために使うはずだった時間を問題を考える時間として使うことができます。計算をスキップできることは、制限時間との戦いである生保数理においてかなりのアドバンテージです。

損保数理であれば計算力でごり押しすることも可能ですが、生保数理は導出できてしまいそうな式も含めて覚えておくことが重要です。

まとめ

生保数理はしっかりと対策をすれば合格をできる科目です。コツコツと頑張って、合格をつかみ取りましょう!

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