【2021年最新】アクチュアリ―を目指す人への参考書を選びました!超基礎から実践まで【完全保存版】

この記事では、アクチュアリー試験の対策に使える参考書を紹介していきます。

アクチュアリー試験の概要を簡単にご紹介します

アクチュアリーの試験は2段階構成です。1次試験と2次試験があり、1次試験が5科目で2次試験が2科目です。1次試験のすべての科目に合格して2次試験の受験資格が得られます。

2次試験には3つのコースがあり、生保コース・損保コース・年金コースから1つのコースを選んで受験します。

1次試験については、1科目ずつ合格して5年で5科目の合格を目指す人が多くおられます。数学の得意な学生さんで2年間の短期間で5科目合格した方もいるそうです。

高い難易度をほこり、1次試験の受験資格には大学卒か大学卒程度の能力があると認められる必要があります。

日本でのアクチュアリーの業務範囲が拡大したのが、1990年代に始まった金融の自由化の頃からです。金融の自由化により保険会社の商品・サービス・販売チャネルの多様化が進んだためです。

特に、損害保険会社が保険手数料の算定を各々の保険会社で行うことができるようになりアクチュアリーの存在がクローズアップされるようになりました。それまで保険手数料の算定は算定会という団体により算出され統一されていたからです。

アクチュアリーには複雑な数理学や統計学を使いこなせる能力が求められます。保険料金の算定には、予定利率・保険事項発生率・事業費率の3つの要素が用いられます。

予定利率は将来の運用をみこした利益を導き出す保険料算定の根拠と言えるものです。

保険事項発生率の産出には多角的なシミュレーションは必要で、間違うと誤差が生じてしまい事業を圧迫する要因となってしまいます。

事業費率は会社の経費を算出するもので、商品の性質を考慮に入れると長期的な視野で分析が必要となり、精密さと多要素を加味した分析も必要となってきます。

また、アクチュアリーの技術は公的な社会保障制度の運営にも必要とされています。

以下、科目別に対策方法をまとめます。

数学

アクチュアリー試験の合格率の推移|アクチュアリー・ゼミナール (actuary-semi.com)

数学の出題範囲は、確率・統計・モデリングです。詳細を以下に記します。

確率は、事象と確率、確率変数・確率分布・確率密度関数・分布関数、確率変数の平均値・分散、変数変換と和の分布、積率と積率母関数・確率母関数・特性関数、大数の法則と中心極限定理です。

大学の理系学部での2年次までのレベルです。

統計は、データのまとめ方、統計的推定・区間推定、統計的検定、標本分布論と標本調査、最小2乗法と相関係数と回帰係数の推定・検定モデリング、回帰分析、時系列解析、確率過程、シミュレーションです。

大学の理系学部での2年次までのレベルです。

数学独学者のテキストの使い方を図にまとめました

アクチュアリー会が指定する確率のテキストは、『入門数理統計学』です。著者は、ホーエル.P.Gで培風館から出版されています。

第12章と第13章を除いた部分が出題範囲です。演習書として『確率統計演習1 確率』が指定されています。著者は、 国沢清典で培風館より出版されています。

数学が得意な人向けの応用的な書籍です。数学の試験で過去に出題のない問題がこれらから出題される可能性があります。過去問を解き終えて余力がある人は解いてみましょう。

アクチュアリー会が指定する統計のテキストは、『基礎統計学(1)/統計学入門』です。東京大学教養学部統計学教室が編集し、東京大学出版会から出版されています。

演習書として『確率統計演習2 統計』が指定されています。著者は、 国沢清典で培風館より出版されています。

指定教科書の中では分かりやすいテキストです。正確に理解しておくとミスの防止と応用力の向上に役立ちます。

アクチュアリー会が指定するモデリングのテキストは、『モデリング』です。日本アクチュアリー会が編集し、同会から出版されています。

試験範囲外とした部分がありますので目次で確認しておいてください。同書の第5章も試験範囲外です。

参考書として、日本アクチュアリー会より出版されている『確率・統計・モデリング問題集』が挙げられています。

数学独学者のテキストの使い方を図にまとめました(2)

『アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 数学』は、公式集と基本問題集から構成されているので、初学者向けの1冊です。アクチュアリー研究会から出版されています。

過去問の解説を読んでもよく分からない人や過去問がどの範囲から出題されているのかが分からない人向けの参考書を挙げておきます。

『弱点克服大学生の確立・統計』と『明解演習 数理統計(明解演習シリーズ)』は、それぞれ問題が100問ずつ収録されています。

2冊をあわせて演習書として活用してください。

『弱点克服大学生の確立・統計』は体系的に記述されているので、試験範囲と一致する第1章から第7章までを一度解けば、どの範囲の問題なのかが分かるようになります。

数学は限られた時間内で、できるだけ速く計算し正確な答えを出すことが求められるため演習が不可欠です。

生保数理

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生保数理の出題範囲は、生保数理の基礎と応用と記載があります。詳細を以下に記します。

利息の計算、生命表および生命関数、脱退残存表、純保険料、責任準備金(純保険料式)、計算基礎の変更、営業保険料、実務上の責任準備金、解約その他諸変更に伴う計算、連合生命に関する生命保険および年金、就業不能(または要介護)に関する諸給付、災害および疾病に関する保険となります。

計算に必要な数学の知識は学部レベルですが、理論は大学院レベルとされています。

生保数理独学者のテキストの使い方を図にまとめました

アクチュアリー会が指定する生保数理のテキストは、『生命保険数学』です。著者は、 二見隆で日本アクチュアリー会より出版されています。

参考書として『アクチュアリーのための生命保険 数学入門』が指定されています。京都大学理学部アクチュアリーサイエンス部門が編集し、岩波書店より出版されています。

アクチュアリー会が指定する『アクチュアリーのための生命保険数学入門』は生命保険の参考書です。アクチュアリー会のHPには指定参考書からも出題があると記述があります。

『アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 生保数理』はアクチュアリー研究会から出版されています。公式集と基本問題集から構成されている、試験対策に有効な参考書です。基本問題を解き終えてから公式集を参考に過去問を解くと良いでしょう。

損保数理

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損保数理の出題範囲は、損保数理の基礎および応用と記載があります。詳細を以下に記します。

料率算定の基礎(回帰分析等を含む)・リスクモデル、純保険料と営業保険料の算定方法、・信頼性理論、経験料率・クラス料率、支払備金の数理、積立保険の数理、保険料算出原理、

危険理論の基礎、再保険の数理、リスク評価の数理です。

計算に必要な数学の知識は学部レベルですが、理論は大学院レベルとされています。

損保数理独学者のテキストの使い方を図にまとめました

アクチュアリー会が指定する損保数理のテキストは『損保数理』と『モデリング』です。日本アクチュアリー会により編集・出版されています。

『モデリング』からの出題は第1章となります。

アクチュアリー研究会が出版している損保数理の参考書が『アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 損保数理』です。

公式集と問題集で構成されている損保数理の初学者向けの参考書です。

損保数理は初学者が過去問にトライしても歯がたたないほど独特です。

問題集を基本問題の理解のために使いつつ、公式集を参照用として理解を深めるために利用してください。

『例題で学ぶ損害保険数理』は、損保数理の受験生にとって定番といえる参考書です。

易しめの例題を解きながら理解していけますので、この参考書からはいりましょう。解き終えたら過去問にうつりましょう。

『リスク・セオリーの基礎―不確実性に対処するための数理』は指定教科書よりコンパクトで、とても分かりやすい解説がされている教科書的な書籍です。

応用力を養うために利用しましょう。

計算ができるようになったら、理論を理解することで本試験においてどんな問題にも解答できる力が備わります。

『損害保険数理(アクチュアリー数学シリーズ)』は『リスク・セオリーの基礎―不確実性に対処するための数理』と同じ著者です。

『リスク・セオリーの基礎―不確実性に対処するための数理』をメインのテキストとし『損害保険数理(アクチュアリー数学シリーズ)』を演習のために用いる使い方もあり応用力がつきます。

年金数理

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年金数理の出題範囲は、年金数理・年金財政の基本と記載があります。詳細を以下に記します。

年金数理の基本原理、計算基礎率、年金現価率、定常人口論(含む人口モデル)、財政方式、保険料と責任準備金、積立金と過去勤務債務、数理的損益分析です。計算に必要な数学の知識は学部レベルですが、理論は大学院レベルとされています。

アクチュアリー会が指定する年金数理のテキストは『年金数理』のみです。

分かりやすいと言えないレベルです。

アクチュアリー記号という独特の記号があるのですが、記法が試験問題と異なる点がありますので注意してください。

『年金数理』は日本論評社が出版している参考書です。

年金数理の導入部分を扱う参考書ですので初学者が最初に読むのに適しています。

年金の知識が必要となるため大学で法学を専攻した人や社会保険労務士に興味がある人が最初に挑戦すると良いでしょう。

会計・経済・投資理論

アクチュアリー試験の合格率の推移|アクチュアリー・ゼミナール (actuary-semi.com)

会計・経済・投資理論の出題範囲は、会計・経済・投資理論の基本と記載があります。詳細を以下に記します。

会計の分野では、財務会計の機能と制度、利益計算の仕組み、会計理論と会計基準、利益測定と資産評価の基礎概念、現金預金と有価証券、売上高と売上債権、棚卸資産と売上原価、有形固定資産と減価償却、無形固定資産と繰延資産、負債、株主資本と純資産、財務諸表の作成と公開です。

会計学部・経営学部の専門科目レベルとなります。

経済では、大きく分けてミクロ経済学とマクロ経済学の次の分野から出題されます。

ミクロ経済からは需要と供給・需要曲線と消費者行動・費用の構造と供給行動・市場取引と資源配分・ゲームの理論入門です。

マクロ経済学からは、経済をマクロからとらえる、有効需要と乗数メカニズム、貨幣の機能、マクロ経済政策です。

経済学部の専門科目レベルとなります。

投資理論の分野からは、投資家の選好、ポートフォリオ理論、CAPM、リスクニュートラル・プライシング、デリバティブの評価理論、債券投資分析、株式投資分析、デリバティブ投資分析です。

金融学部・経営学部の専門科目レベルとなります。

投資理論独学者のテキストの使い方を図にまとめました

以下のような順で進めます。

投資理論独学者のテキストの使い方を図にまとめました(2)

お金の数字に強い人や大学で経営学か経済学を専攻した人、または公認会計士や証券アナリストに興味がある人が最初に挑戦すると良いでしょう。

アクチュアリー会が指定する会計分野のテキストは、『財務会計講義』です。著者は、桜井久勝で、中央経済社から出版されています。

『財務会計講義』からは第1章~第12章が出題範囲となります。経済分野の指定テキストは、『入門 経済学』です。著者は伊藤元重で、日本評論社から出版されています。出題範囲は、Part 1 の§1~§4、§8、Part 2 の§9~§12となります。

投資理論の指定テキストは『新・証券投資論Ⅰ 理論篇』で、著者は小林孝雄 と芹田敏夫です。日本証券アナリスト協会の編集で日本経済新聞出版社より出版されています。

『新・証券投資論Ⅰ 理論篇』からの出題範囲は、第1章~第3章、第5章、第7章となります。

同じく『新・証券投資論Ⅱ 実務篇』が指定テキストとして出版されています。著者は、伊藤敬介・ 荻島誠治・ 諏訪部貴嗣 です。

『新・証券投資論Ⅱ 実務篇』からの出題は、第1章・第2章・第4章となっています

アクチュアリー会が指定する会計分野のテキストは『財務会計講義』です。わかりやすく解説してあるテキストです。

『財務会計講義』の例題から出題されることもありますので、すべて解けるようにしておけるようにしましょう。

アクチュアリー会が指定する経済学のテキストは『入門経済学』です。わかりやすく理解しながら読めますので、最初に通読し過去問を解きながら何度も読み返しましょう。

アクチュアリー会が指定する投資理論のテキストは『新・証券投資論Ⅰ』と『新・証券投資論Ⅱ』です。

ハイレベルの内容で ページもある本ですので、辞書として使うことをおすすめします。過去問を解く際にデスクの上に置いて、過去問の分からない箇所を調べながら解くと良いでしょう。

投資理論では出題される問題が、ある一定のパターンを持っているので最初は参考書の通読し過去問を解くことから入りましょう。

アクチュアリー試験の指定教科書と参考書の難易度を簡単に図にしました

すべてまとめると、以下のようです。

アクチュアリー試験2次試験の概要を簡単にご紹介します

第2次試験で生保コースを選んだ人の専門科目は生保1と生保2の二科目です。

生保コースの科目である生保1の出題範囲は以下のとおりです

生保商品の実務のカテゴリーについて、営業保険料、解約および解約返戻金、アセットシェア、生命保険の商品開発、変額年金保険、団体生命保険、医療保険、再保険、商品毎収益検証が出題範囲となります。

大学院の修士課程レベルとされています。

アクチュアリー会の指定するテキストは、『保険1(生命保険)』【第1章~第8章、第10章】です。その他に日本アクチュアリー会が出している『標準生命表の作成過程』も参考にしてください。

生保コースの科目である生保2の出題範囲は以下のとおりです

生保会計・決算のカテゴリーについて、生命保険会計(保険会社税制を含む)、契約者配当、事業費の管理・分析、ソルベンシー、内部管理会計、相互会社と株式会社、変額年金保険、医療保険の責任準備金等、ALMが出題範囲となります。

大学院の修士課程レベルとされています。

アクチュアリー会の指定するテキストは、『保険2(生命保険)』【第1章、第3章、第5章~第8章】と『保険1(生命保険)』【第5章(5.1、5.3.3 および付録は除く)、第7章(7.5 のみ)】です。

アクチュアリー会の指定する参考書は、『標準生命表の作成過程』でアクチュアリー会から出版されています。その他には、アクチュアリージャーナルが参考資料として挙げられています。

第2次試験で損保コースを選んだ人の専門科目は損保1と損保2の二科目です。

損保コースの科目である損保1の出題範囲は以下のとおりです

 損保商品の実務のカテゴリーについて、損害保険業とは、損害保険料率、保険料の算定、再保険、リスク管理、損害保険業とアクチュアリー、リスクモデル、損害率・事業費率の分析が出題範囲となります。

大学院の修士課程レベルとされています。

アクチュアリー会の指定するテキストは『損保』で、第1章~第4章、第 10 章、第 11 章、付録A、付録Bが出題範囲と関連しています。

アクチュアリー会の指定する参考書は、『保険 ERM 経営の理論と実践』です。公益財団法人 損害保険事業総合研究所編でERM 経営研究会から出版されています。

損保コースの科目である損保2の出題範囲は以下のとおりです

損保会計・決算・資産運用のカテゴリーについて、損害保険業とは、損害保険会計の特色と体系、支払備金、責任準備金、資産運用、損害保険会計と税務、リスク管理、損害保険業とアクチュアリー、損害保険の損益分析が出題範囲となっています。

大学院の修士課程レベルとされています。

アクチュアリー会の指定するテキストは『損保』で、 第1章、第5章~第11章、付録Bが出題範囲と関連しています。

アクチュアリー会の指定する参考書は、『保険 ERM 経営の理論と実践』で、公益財団法人 損害保険事業総合研究所編でERM 経営研究会から出版されています。

第2次試験で年金コースを選んだ人の専門科目は年金1と年金2の二科目です。

年金コースの科目である年金1の出題範囲は以下のとおりです

公的年金制度および各種退職給付制度の設計・税務のカテゴリーについて、公的年金制度(国民年金、厚生年金保険)の設計、確定給付企業年金制度および確定拠出年金制度の設計、退職金制度、中小企業退職金共済制度等、公的年金制度(国民年金、厚生年金保険)および各種退職給付制度の税務が出題範囲となっています。

大学院の修士課程レベルとされています。

アクチュアリー会の指定するテキストは『年金』で、第1分冊【1.2.2.1、1.2.2.2 および 1.4.5を除く】、第2分冊、第3分冊、第4分冊【4.1 のみ】が出題範囲と関連しています。

アクチュアリー会の指定する参考書は『企業年金に関する基礎資料』【第2章2・第3章・第9章・第10章・第11章および各章の統計資料を除く】で、企業年金連合会から出版されています。

年金コースの科目である年金2の出題範囲は以下のとおりです

公的年金制度および企業年金制度の財政ならびに退職給付会計のカテゴリーについて、公的年金制度(国民年金、厚生年金保険)の財政、確定給付企業年金制度の財政、退職給付会計(国際会計基準を含む)が出題範囲となっています。

アクチュアリー会の指定するテキストは『年金』で、第1分冊【1.2.2.1 および 1.2.2.2 を除く、第2分冊、第3分冊、第4分冊4.1 を除く】が出題範囲と関連しています。

アクチュアリー会の指定する参考書は、『企業年金に関する基礎資料』【第2章2、第3章、第4章、第5章、第6章、第8 章、第10章、第11章および各章の統計資料を除く】で、企業年金連合会から出版されています。

その他、『公的年金財政状況報告』社会保障審議会年金数理部会編、『国民年金及び厚生年金に係る財政の現状及び見通し』など財政検証の資料が厚生労働省より出ていますので参考にしてください。

まとめ

アクチュアリー試験の勉強方法は、指定教科書を1回読んで過去問を見て傾向をつかむことから始めるのが基本的です。

しかし、指定教科書が難しい場合がありますので、参考書を先にこなすこと効率的なこともあります。

また、数学からはじめて数学の応用である生保数理・損保数理・年金数理に入るのが初学者には最適です。

「会計・経済・投資理論」が試験科目のなかでは容易でありますが、別物と考えて学習してください。

【参考資料】

2020-B1.pdf (actuaries.jp)

アクチュアリー試験の合格率の推移|アクチュアリー・ゼミナール (actuary-semi.com)

actuary jarnal.pdf (kyoto-u.ac.jp)

66-1-12.dvi (ism.ac.jp)

『ファイナンシャルプランナー証券アナリストアクチュアリーの仕事がわかる本』

『アクチュアリー保険・年金数理のプロフェッショナル』

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