参考書を使ってどんな対策をすれば数学に合格することができるの?
使うべき参考書やスケジュールの立て方がわからず、勉強を効率的に進める自信がない
そんなお悩みを解決する記事です。
おそらくほとんどの人が最初に受けるであろう、数学の試験。アクチュアリーを目指すうえで最初の関門になります。どんな対策をしていけば良いのでしょうか。参考書は、公式が出しているものもあれば、市販で他に役立ちそうなものもあります。どのように対策するのが一番効率が良いのでしょうか?なお、勉強法全体については、以下の記事を参照してください。
この記事では、参考書ごとの長所短所と、使い方をまとめます。
どんな参考書を使えばアクチュアリー試験の数学に受かるの?
上記の記事でもリストアップした本について、対応分野を表したのが以下の表です。
使う本のタイトルは以下です。
①「統計学入門」
②「弱点克服大学生の確率・統計」
③「明解演習 数理統計 (明解演習シリーズ) 」
④アクチュアリー会指定の「モデリング」
⑤アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 数学
⑥過去問10~20年分
⑦アクチュアリー受験研究会の「ワークブック」
アクチュアリーを目指して数学を受験する場合、これらの本をやっていくことになります。
この記事では、数学全体の勉強法の記事よりも詳しく、それぞれの本について解説を加えていきます。(一部内容が被りますがご容赦ください)
統計学入門
表紙の色から、「赤本」と呼ばれています。統計学の知識ゼロでも読むことができます。文系からアクチュアリーになりたい人、これから統計学の勉強を始める人は、この本を一冊読み切ることから始めましょう。
この書籍は、問題を解くためではなく、よく分からない分布を理解するために読む本です。
例えば、カイ2乗分布やF分布がどういう分布なのかわかるでしょうか?
「聞いたことはあるけれど、いざ説明しようと思うと難しい…」
と思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そういった疑問にイメージを与えてくれるため、記憶に定着しやすくなります。
統計学の本は数式ばかりのことも多いですが、この本はイメージや図を使って理解しやすい形にまとめてくれている良書です。
たとえば、「検定」の問題では平均が既知で分散が未知の場合何検定をすればよいか、というタイプの問題はほぼ毎年出題されます。
この問題について、
「こういうときはこうするんだ!」
と詰め込み式に学習することも可能ですが、どうせなら理屈も含めて覚えたいですよね。
そこで、この本のようなわかりやすい解説書が必要になります。
何故その分布を使うのかという説明を非常に丁寧にされています。その章を繰り返し、繰り返し読むことで自分の手足の一部として統計学を使っていくことができるようになるのです。
弱点克服大学生の確率・統計
アクチュアリー試験に親和性の高い確率統計の問題を解くことができます。他にも確率統計の本はたくさん出ていますが、他の本だとアクチュアリー試験の範囲に対応していないことも多いので注意してください。必ず、この記事内でリストアップした本をこなすようにしましょう。
アクチュアリーの数理試験対策で1冊しか使えないとしたら何をやるか、と言われたら迷わずこの本をあげます。というのも、確率の問題の出題範囲をほぼカバーしているからです。
アクチュアリー科目保持者の間でもかなり評判の良い本です。
公式の一つ一つが非常に利便性が高いです。ほかの本よりもアクチュアリー試験に寄せたチョイスの問題になっています。正直、確率分野についてはこれ一冊で十分だと思います。
ただし統計分野は流石にこれ一冊だと手薄なので別途やる必要があります。
そもそもこの本は、参考書というよりは問題集です。
つまり、ある程度知識がある前提で、さらに知識を応用する練習をしたり、定着度をあげるためのものです。ゼロの状態からやろうとすると、非常に厳しいかもしれません。
大学受験で扱われている確率分野はまだしも、統計分野は別の対策が必要です。
明解演習 数理統計 (明解演習シリーズ)
丁寧に統計学の勉強ができる本です。難易度は、「弱点克服」よりも高いです。技巧的な解法も出てきます。数学科専攻の人でも解けない問題も多いので、これが解けなくても悲観的になりすぎないようにしてください。
基礎的な内容から応用的な考え方まで幅広くカバーしています。特に難易度の高い問題は、解けるようになる必要はないので安心してください。
アクチュアリー試験との親和性が高いです。過去にはアクチュアリー試験でほぼこの参考書の問題そのままが出たとの話も…。統計分野の参考書はこれで決まりでしょう。
有名問題も多く、就活の数理試験でも役立ちます。就活の数理試験では、有名問題が出ることも多いからです。就活について知りたい方は、以下の記事も参照してみてください。
就活生は、アクチュアリー試験と同様に、就活における数理試験の対策も視野に入れる必要があります。出題範囲が異なるので、優先度をつけて対策しましょう。なお、優先度付けや最短時間での情報収集については、就活講座でもサポートしています。詳細は以下をご覧ください。
学習スケジュールを立てつつ就活対策をするのは難しいのですが、就活講座では経験者目線でのアドバイスが可能です。
話を戻します。次に、「モデリング」の対策方法です。
アクチュアリー会指定の「モデリング」
モデリングは、きちんとした参考書が市販のもので少ないのがネックです。しかし、そこはアクチュアリー試験。公式の問題集が充実しています。アクチュアリー会指定の「モデリング」教科書は非常にわかりやすく、オススメです。
あまり大きな声では言えませんが、他の参考書については、数学が苦手な人では理解ができないような内容も含まれています。なので、アクチュアリー数学の受験者でもほとんど使っている人のいないような参考書もあったりします。しかし、この「モデリング」は、受験者が口を揃えて、「教科書だけやればいい」と言うようなものです。試験範囲にだけは注意をしてください。無駄な勉強をしやすい分野です。該当範囲の勉強だけをやるのなら、そこまで時間はかかりません。その割にしっかりと配点のある分野なので、十分に対策しましょう。
アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 数学
アクチュアリー試験の対策を目的に作られた本というだけあり、非常に試験対策に役立つ内容となっております。過去問と並行して進めることで、アクチュアリー特有の問題にうまく対処できるようになるでしょう。
全体像を把握することや、試験への対策方法のイメージを膨らませる上で非常に役立ちます。解法は、アクチュアリー試験に特化したものも多く、勉強になります。ただ、この本だけでは網羅的な対策は厳しいです。あくまで、基礎的な勉強は上記の本で済ませた上で、さらにレベルアップするための本だという理解をしてください。
過去問10~20年分
過去問をかならずやりましょう。
最低でも10年、できればそれ以上やります。
10年分は、問題が出てきたらスラスラと回答をしゃべれるくらいにやる必要があります。
というのも、過去の問題と似たパターンの問題も多いので、過去問を解けるようになることは合格に必須の条件だからです。
アクチュアリー受験研究会の「ワークブック」
上記の過去問の演習において、「解答がわからない」「考えても理解ができない」といった悩みを抱えることも多いと思います。アクチュアリー受験研究会の「ワークブック」を見ることで、解答が理解できることもあります。
まとめ
数学の勉強は、手順とやりかた、使う参考書などを間違えなければ、スムーズに進めていくことができます。効率的に勉強を進めて、ハイスピードでの合格を目指していきましょう!
試験勉強で悩んでしまうことがあれば、以下の講座を使ってみてください。