アクチュアリー就活|学歴フィルターを受ける大学名は?【現役アクチュアリーがぶっちゃける】

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以下のようなお悩みをいただくことがあります。

「アクチュアリーになりたいけれど自分には学歴がありません。大丈夫でしょうか?」

「アクチュアリーに学歴フィルターはありますか?」

この記事では、上記のお悩みにアクチュアリー目線での意見を回答します。

社内・社外を含めて数百人のアクチュアリーを見てきて感じたことであり、あくまで個人の見解ですのでご了承ください。

【就活生の方へ】

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結論

ぶっちゃけ、学歴フィルターはあると感じました。以下がそう思う理由です。

・就活時にはたくさんいた低学歴層が、内定者の集まりではほとんどいなかった

・先輩方を見ていても、早慶以上の学歴の人が大多数

・というかアクチュアリーに限らず、金融業界の大手企業では実質学歴フィルターが働いていると言っている人が多い

・その中でも、勉強ができることが大前提となるアクチュアリーという職業で、学歴が関係ないと考える方が不自然

では、低学歴な人はアクチュアリーを諦めざるを得ないのか?私はそうは思いません。ただし、戦い方は異なります。戦い方の説明に入る前に、学歴フィルターについてざっくり解説します。

なぜ学歴フィルターがあるのか〜ストーリーで解説〜

(注:以下はわかりやすさ重視で、緩めの文体で書かれています)

なぜ、学歴フィルターという闇システムが日本には存在するのでしょうか?そんなものがなければ、数多の就活生は苦しまずに、好きな企業を受けられるのに、いったいなぜ。

それは、企業の人事もある種の被害者だからです。企業の人事の稼働は無限ではありません。

想像してみてください。あなたは〇〇生命保険の、人事部の新卒担当者です。

「6月までに就活生を10人採用してください」と上司に言われます。そこから逆算して、採用までのスケジュールを立てます。面接ではどんな基準で就活生を選ぶか、どんな数理試験を課して、選抜するか。上司に怒られないように、変な就活生を採用しないように、ドキドキです。

あなたが使える時間には限りがあります。昨今は残業しようとしてもできない時代。限られた時間で、社内から批判されないような人材を採用できないと、あなたの出世は危うくなります。せっかく大手に入ったのだから、最短の時間で最良の就活生を採用したいはずです。

さあ3月になりました。就活が本格化し、多くの就活生がエントリーしてきます。

しかし、ここで困ったことがあります。人事部が使える時間は限られているのに、応募してくる就活生はとても多いのです。自分の稼働時間は、1日に9時間程度。しかし、もし応募してくる就活生全員に一次面接をしていると、1日に20時間働いても足りません!

そこで自然な思考として、「一次面接前にES時点で就活生をふるい落として、絞り込むこと」に思い至ります。では、そのための軸として何を使うか。いろんな候補があります。

・学歴

・コミュ力

・顔面偏差値

etc

では、無限に存在する軸のうちどれを使うのが良いでしょうか。軸を決める上で、大事な要素があります。

・「仕事ができること」との相関

・客観性

まず、一つ目の「仕事ができること」との相関について。これは、わかりやすいですね。社会人的なコミュ力がある人も、頭がいい人も、仕事ができる可能性が高いです。人に好かれることが大事な仕事なら、顔面偏差値もプラスに働きます。この時点では軸が無限にあります。

大事なのは二つ目。客観性です。これが、学歴を重視する理由でもあります。

この重要性を理解してもらうために、先ほどの例に戻ります。仮に、人事部の新卒採用担当であるあなたが、「コミュ力」で就活生を選んだ場合を考えてみましょう。あなたは、「生粋のコミュ強軍団10人」を採用しました。そして、彼らは初年度に各部署に配属されます。

やっと入社させることができた、そう落ち着いたのも束の間。各部署からのクレームが来ます。「今年の新卒使えなすぎ!」あなたは、上司から詰められます。「なんでこんな奴ら採用したんですか!」その時、あなたが上司にも納得のできる理由を説明しないといけません。あなたは答えます。「彼らはコミュ力があったんです!」それに対して、上司は答えます。「それってあなたの感想ですよね?」

こうなると、責任はあなたに降りかかります。大手に入ったのに、出世ルートは絶たれ、僻地に飛ばされ、全てを失いました。

〜The End〜

上記はちょっとオーバーに書きましたが、要するに大手では、「自分の責任にならないようにすること」が大事です。では、そのために何をすればいいか?それは、「逃げ」を用意することです。「部長の〇〇さんの了解を得てます」「〇〇という統計データを元に算出しました」こういった客観性があると、あなた個人の責任ではなくなります。

では、新卒採用における就活生の選定で、「客観性」を持つ情報はなんでしょうか?コミュ力なんてのは、相手次第なところもあります。陽キャに好かれるコミュ力と、隠キャに好かれるコミュ力が違うように。年下と年上に好かれるコミュ力が違うように。流動的です。

しかし、学歴はどうでしょうか。「彼は東大卒」これは、完全に客観的な情報です。そして、「学歴が良ければ頭がいい確率が高いこと」「頭が良ければ、アクチュアリーのような頭を使う仕事ができる確率が高いこと」「頭が良ければ、アクチュアリー試験に合格できる可能性が高いこと」は多くの人が認める、客観性の高い主張です。

つまり、「学歴が高い人を選びました」と新卒採用担当者のあなたは軸を上司に説明した場合には、「なら仕方ないな」と上司が言ってくれる可能性が高いのです。逆に、学歴を重視しなかった場合は、学歴という客観的な指標があるにも関わらず、それよりもコミュ力を優先して失敗したわけですから、「学歴よりもコミュ力を優先する」というあなたの判断が間違っていた、つまりあなたは無能だ、と上司から責められるわけです。

こう言った力学が働くため、アクチュアリーには強い学歴フィルターがかかります。要するに採用担当者が上司から怒られないために、「就活生にかけるフィルター」の種類は、「学歴フィルター」になるのです。なぜなら、仕事ができることに相関があり、客観的な軸だからです。

学歴別の戦略

学歴別に場合分けして、どんな戦略を取るべきなのか、自分の考えを説明させていただきます。

周囲のアクチュアリー内定者にこちらの戦略についてフィードバックをいただいたところ、概ね同意見の人が多かったので、就活生の方は参考にしてみてください。

学歴に自信がない人向けの解説が中心です。

東大・京大・東工大・一橋大の人へ

学歴フィルターはあなたにはありません。安心して就活してください。逆に、あなたが選考に落ちるのだとしたら、学歴以外のところに原因があります。これらの大学の人は、学部卒でも大手のESに基本通って行きます。

そのほかの旧帝大の人へ

東大や京大に比べて、ビハインドを感じている人も多いかもしれませんが、概ね大丈夫です。

ただ、業界トップの企業を目指す上では、東大生との戦いが待っています。自分の強みを把握して、十分にアピールできるようにガクチカなど練り込んでいきましょう。

早慶の人へ

正直、一部の企業では旧帝大に比べて不利です。とある企業では、内定者がほぼ全員旧帝大だったところもあります。しかし、内定できる範囲はかなり広いです。

Marchの人へ

正直、アクチュアリーという枠で言うと、不利です。人事の人も社員の人も、「Marchでもどうにかなるよ」と言います。けど、優しい嘘です。どうにかならなかった友人もたくさんいます。学歴フィルターとして、一部の企業では弾かれることも多いです。

一番悩みがちなのが、実はMarchの人だと感じています。世間的には高学歴、だけどアクチュアリー就活界隈では、劣等感を感じがちなのです。周りは東大の理系大学院とか、そんな奴らばかり。自分は文系。一般的には高学歴なはずなのに、就活中も劣等感と不安でいっぱい。そんな人も多いと思います。

大事なのは情報です。探してみると、March出身でも活躍しているアクチュアリーの多い企業もたくさんあるはずです。徹底的なリサーチの上で、そういった企業を狙い撃ちするのが基本戦略です。一部の企業はES段階で落ちますが、そこでへこたれないでください。アクチュアリー就活する上で少し不利ですが、十分に大手のアクチュアリーも狙えます。

オンラインの記事というオープンな場なので、個別企業への言及は避けますが、企業選定を正しく行うことと、平均以上の就活力をつけることで、内定可能です。

アクチュアリーへのアクセスが難しい場合、アクチュアリー以外の総合職で保険会社に入ったOBにコンタクトを取るのも有効です。Marchであれば、総合職入社のOBは多いはずだからです。そして、彼らの紹介でアクチュアリーにアクセスできる可能性もあります。

また、自分自身が総合職入社してから、入社後にアクチュアリーになるのも手です。試験科目をとって、部署移動届を出すのです。この方法でアクチュアリーになっている方も実際に自分の知り合いにいます。アクチュアリーとしての職種別新卒入社が難しくても再現性のある方法だと思うので、選択肢に入れてみてください。

日東駒専の人へ

アクチュアリーとして大手に行くことのハードルはとても高いです。

しかし、諦めないでください。あなたがアクチュアリーを本気で目指すのなら、道はあります。具体的には、中小企業でもいいからまずはアクチュアリー内定をすることを目指してください。

その上で、転職をして大手に行くことは可能です。新卒就活においては学歴で弾かれることもあるかもしれませんが、中途での入社は実力や経験が見られるからです。ちょっと遠回りになるかもしれませんが、大手企業のアクチュアリーになることは可能です。

日東駒専の人は、アクチュアリーになることを諦める人も多い印象です。インターンなどに参加している中で、自分は場違いなのではないかと悩んだりするからです。しかし、そこで止める必要はありません。実際に、このレベルの大学からの内定者は過去にも複数います。

先ほどの例に出したように、学歴フィルターという仕組みはとても強力です。しかし、そこを乗り越えるために、学歴以外の部分で秀でることが大事です。そこも含めて、MAXITではサポートをさせてもらいます。

日東駒専からアクチュアリーとして活躍するには、特に面接対策が大事になってきます。面接で、頭の良さやコミュニケーション能力を十分に発揮できないと、正直容赦なく落ちます。自分の知り合いでも、就活時代に、「こいつは優秀」と思った人以外は、結構落ちてました。ただ、可能性がある、ということは覚えておいてください。

まとめ

要するに学歴フィルターは、企業内の力学から生まれる仕組みで、学歴の低い就活生にとってはとても差別的です。

ただ、学歴をあまり重視しない企業もあります。そして過去の情報から、どんな企業では学歴が重視されがちなのか、データを見ればある程度わかります。流石にネット上でそういった情報を書くことはできないので、MAXITにも自分の知っている範囲で情報を提供しています。宣伝となりますが、学歴にビハインドを感じている方もそうでない方も、個別企業の情報含めて得るためにぜひMAXITにお越しください!

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