アクチュアリー数学の一次試験勉強を始める前に読む記事

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「アクチュアリー試験の数学勉強法がわからない」

「自分の数学レベルに合った勉強法は?」

そんなお悩みを解決する記事です。アクチュアリーの数学を勉強する手順をご説明します。

アクチュアリー数学の勉強法全体像

勉強の全体像は以下の通りです。

まずやるべきは過去問

まずは過去問をやりましょう。理由は以下の通りです。

1 試験の傾向をつかむため:過去問は、その試験の出題傾向や難易度をつかむ上で非常に有用です。過去問を解くことで、どのような種類の問題が出されるのか、どのような形式で出されるのか、どのような難易度なのかを把握することができます。これによって、どのような問題に焦点を当てて勉強すべきか、効率的に勉強することができます。

2 自分の今の力を評価するため:過去問を解いて、自分がどの程度その科目を理解しているのかを確認することができます。過去問に挑戦し、解けた問題の割合や解答時間などを記録することで、自分の弱点や改善点を見つけることができます。

あらゆる試験に共通することですが、アクチュアリー試験も例外ではなく、過去問が最も大事です。

不足知識を参考書でインプット

過去問を解いて、不足していると思った知識は参考書でインプットしましょう。大事なのは、初めに参考書を完璧にすることから始めないこと。過去問からの逆算をして、どこに力を入れて勉強するのかを決めましょう。以下のような勉強法が効果的です。

  1. 参考書を読んでいく計画を立てる:まずは、参考書をどのように読むか、どの程度の時間をかけて読むかなど、計画を立てましょう。計画を立てることで、目標を明確にすることができ、効率的に進めることができます。
  2. 目的を明確にする:参考書を読む目的を明確にすることが大切です。自分が知りたいこと、理解したいこと、学びたいことを明確にしておくことで、インプットする内容を絞り込むことができます。
  3. 1章読むごとに要約を作成する:読んだ内容を要約することで、自分自身が理解しているかどうかを確認することができます。要約を作成することで、重要なポイントを把握し、理解しやすくなります。
  4. ノートを取る:参考書を読む際には、ノートを取ることで、自分自身が理解したことを確認することができます。また、ノートを取ることで、参考書の内容を自分の言葉でまとめることができ、理解度を深めることができます。
  5. 実践を重視する:参考書を読んだら、すぐに実践することが大切です。実践をすることで、理解度が深まります。また、実践をすることで、自分自身が知らなかったことや理解していなかったことを発見することができます。アクチュアリーは過去問をこなすことが大事なので、実践ベースで逆算して知識を入れるのが効果的です。

以上の方法を組み合わせて、効率的に参考書をインプットすることができます。自分自身が理解しやすい方法を見つけ、効率的に学ぶことが大切です。

過去問と並行して問題集をこなす

問題集を効率的に勉強するための方法には、以下のような方法を使いましょう。

  1. 目的を明確にする:問題集を勉強する目的を明確にしましょう。例えば、試験の対策や、特定の分野の理解を深めるなど、具体的な目標を設定することが重要です。アクチュアリー試験の場合には、出題分野が「確率」「統計」「モデリング」に分かれていて、その中でも細分化されます。自分が今どこを勉強していて、どこの得点をあげようとしているのか自覚すると、メンタル的にも効率的にも良い勉強ができます。
  2. 章末問題から始める:これは、前提知識のある人向けの方法です。問題集を最初から最後まで解くのではなく、章末問題から始めましょう。章末問題には、その章の内容を復習するために必要な問題が集められていることが多く、基礎を固めるために効果的です。
  3. 解説をしっかり読む:問題を解いたあとは、解説をしっかり読みましょう。解説には、問題を解くためのヒントや、その問題で出題されるポイントが書かれています。解説を読むことで、問題の理解度を深めることができます。特に数学の場合は、行間を埋めるために自分で計算をする必要もあります。回答について完璧に理解できるように自分なりに頭の中で考えるのです。
  4. 間隔をあけて復習する:一度解いた問題は、すぐに忘れてしまうことがあります。問題を解いた後は、一定の間隔をあけて復習するようにしましょう。復習することで、覚えていなかったポイントを再度確認することができます。
  5. ノートを取る:問題を解く際には、ノートを取ることで、自分が間違えたポイントや、理解できていなかったポイントを確認することができます。また、ノートを取ることで、自分自身が理解したことをまとめることができ、理解度を深めることができます。参考書以外に、「アクチュアリー試験数学」と表紙に書いたノートを準備して、自分の間違えた問題や回答のポイントをまとめると、効率の良い復習ができます。

以上の方法を組み合わせて、効率的に問題集を勉強することができます。自分に合った勉強法を見つけ、効果的に学習することが大切です。

使う参考書

以下の教材を使って対策をしていきます。

過去問

過去問を解く際は、解答を見ながら勉強すると効果的です。解答には、問題の解き方や、解法のポイントが記載されていることが多いため、自分が理解できなかった箇所を復習することができます。ゼロから解くこともできますが、やるとしても制限時間を短めにしましょう。「考えたほうが頭に入る」という人もいますが、数学の特に初期段階では、「知っているかどうか」「慣れているかどうか」が大事なので、考えるよりも解法を覚える感覚の方がうまくいきます。数学ガチ勢には怒られそうな「暗記数学」ですが、実際そのほうが短時間で習得できます。

また、重点の置き方も大事です。過去問を分野ごとに整理して、自分が苦手としている分野を中心に取り組みましょう。同じような問題が出題される傾向があるため、似たような問題をまとめて解くと効率的です。

弱点克服確率統計

大学で学ぶよりもワンランク上の確率の問題があると感じる人が多いです。アクチュアリー試験の確率のレベルがどのようなものか掴むのに役立ちます。しかし決して難解なわけではなく、解説は丁寧に書かれていて、問題集として非常に優秀です。

まずはこの本を完璧にこなして、確立分野の基礎固めをしましょう。

明解演習数理統計

統計寄りの問題集です。こちらも難易度は高めですが、アクチュアリー試験の対策において非常に優秀です。初見では難しそうな問題も多いですが、解法をしっかり覚えて、同じ解法の問題が今後出たときに解けるように練習しましょう。

なお、確率分野は「弱点克服」をこなしていれば、とりあえず過去問に入ってしまって大丈夫です。

モデリングの教科書

教科書の内容を理解したら、過去問に入りましょう。

教科書以外だとあまり、これといった参考書もないので、教科書の内容を完璧に理解することが大事な分野です。疑問点については、適宜ググると参考になる情報も出てきます。参考書というよりも、教科書ベースで勉強できる数少ない分野です。

対策期間が半年間の場合はいつ何をやるか

例えば、半年間で数学に受かりたい、という相談が来たときに、どのような勉強法を勧めるか、以下にまとめます。

それぞれの期間でやることをもう少し詳しく説明します。

1,2ヶ月目

まずは過去問を使って、目標とする到達点を把握します。これによって、逆算しての勉強が可能になります。

逆算は重要な考え方であり、以下のようなメリットがあります。

  1. 目標を明確にする:逆算を行うことで、目標をより具体的に設定することができます。具体的な目標が設定されると、それに向かって取り組むことが容易になります。
  2. 計画を立てやすくなる:逆算を行うことで、目標を達成するために必要なステップや行動を把握することができます。そのため、計画を立てる際に必要な順序や期日を設定しやすくなります。そもそも半年間で合格が可能なのか、ということも初期に理解すると、柔軟な対応が可能です。
  3. 落ち着いた状態で行動できる:逆算を行うことで、行動を起こす前に必要な準備を整理することができます。そのため、落ち着いた状態で行動することができ、ストレスを感じることが少なくなります。長期の戦いになってくるので、これも意外と大事です。
  4. 問題解決の効率が上がる:逆算を行うことで、問題解決の効率が上がります。問題が発生した際に、原因を特定し、必要な手順を逆算して解決策を見つけることができます。どこが重要なのか、どこが苦手なのかなど把握することで、自分の時間配分を効率化できます。
  5. 成功率が上がる:逆算を行うことで、目標を達成するために必要なステップを確実に実行することができます。そのため、成功率が上がるというメリットがあります。もちろん、その年によって試験の難易度は違いますが、確率は間違いなく上がるのです。

以上のように、逆算は目標達成に向けた計画を立てるために重要な考え方です。初期はこの逆算が適切にできるようにしましょう。

3,4ヶ月目

自分がどこが苦手でどこが得意なのか、これから何をすればいいのかが明確になってくる時期です。苦手分野の把握はこの時期において大事です。以下にその理由を説明します。

  1. 限られた時間を有効活用するため:試験では時間が限られています。試験の全分野に同じ時間を費やすことはできません。そのため、自分の苦手な分野を事前に把握し、重点的に対策を行うことが必要です。数学の試験以外にも、時間があれば生保数理や損保数理を勉強したいはずです。最短の時間で対策を行うために、苦手分野を適切に把握しましょう。
  2. 自信を持って試験に臨むため:自分の苦手分野を知ることで、自分自身に対してリアルな目標を設定することができます。そのため、自信を持って試験に臨むことができます。「今年受かるのかな」と不安に思いながら勉強するよりも楽なはずです。
  3. 試験に合格するため:試験に合格するためには、全分野に対して適切な対策を行うことが必要です。自分の苦手分野を把握することで、その分野に対して重点的に対策を行うことができます。
  4. 成績向上のため:自分の苦手分野を把握することで、それを克服するために適切な対策を行うことができます。そのため、試験の成績向上につながります。
  5. 受験対策の効率化:自分の苦手分野を把握することで、その分野についての学習量を増やすことができます。そのため、受験対策の効率が上がります。

以上のように、試験の苦手分野を把握することは非常に重要です。苦手分野を把握し、適切な対策を行うことで、試験の合格や成績向上につながります。

5,6ヶ月目

仕上げの時期です。問題演習をたくさんすることが大事です。

  1. 知識を定着させるため:問題演習を行うことで、学んだ知識を定着させることができます。問題演習によって、知識を実際に使うことができるため、記憶に定着しやすくなります。数学は特に、知識を単に覚えるだけでなく、「使えるようにすること」が大事です。繰り返し問題を解くことで、使える知識にしましょう。
  2. 記憶力の向上:問題演習を繰り返すことで、記憶力が向上します。問題演習を通じて、同じ種類の問題に対する解法やポイントを覚えることができます。一度間違える、ということも、記憶を強くするために大事です。
  3. 思考力の向上:問題演習は思考力を養うのにも役立ちます。問題に対して、どのような視点で考えるべきか、どのような解法が適切かを考えることで、アクチュアリー試験特有の問題に対しての思考力が向上します。これは意外と大事です。数学ができる人でも、アクチュアリーっぽい問題になると解けないこともよくあるからです。

まとめ

時期ごとに適切な対策をすることで、自信を持って対策をすることができます。

しっかりとやれば受かる資格なので、頑張ってください!