【全体像】KKTの勉強法【参考書・勉強スケジュール】

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KKTは、会計、経済、投資の3つをまとめた科目です。他の科目とは毛色が違い、文系色が強いです。ゆえに、理系の人が多いアクチュアリー受験生ははじめ苦手意識を持つ人も多いです。

しかし、ちゃんと対策しておけば怖くはありません。この記事で、しっかり対策法をお教えいたします。

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全体像

他の科目と比較すると勉強には手を付けやすいものの、暗記量が非常に多いため油断できない科目です。

きちんとやっていれば合格できますが、相当の時間をかけることは覚悟しておきましょう。イメージとしては、一番学校の試験などに近いのがこのKKTです。他の科目のように「数学力で殴る」ことはできず、黙々と暗記した結果を試験で吐き出すような試験です。

また、3つの分野でそれぞれで足切り点が設定されていることも特徴的です。

各分野の配点に対して40%得点が必要です。

つまり

投資理論は20点

会計、経済はそれぞれ10点

この点数を下回るとその時点でドボンです。

「あんなに勉強したのに会計の足切りのせいで!」

という悲しい結果にならなくて済むように、きちんとまんべんなく勉強しておきましょう。

出題分野

以下のような分野から出題されます。

会計

財務会計の機能と制度

利益計算の仕組み

会計理論と会計基準

利益測定と資産評価の基礎概念

現金預金と有価証券

売上高と売上債権

棚卸資産と売上原価

有形固定資産と減価償却

無形固定資産と繰延資産

負債

株主資本と純資産

財務諸表の作成と公開

・ミクロ経済学

需要と供給

需要曲線と消費者行動

費用の構造と供給行動

市場取引と資源配分

ゲームの理論入門

・マクロ経済学

経済をマクロからとらえる

有効需要と乗数メカニズム

貨幣の機能

マクロ経済政策

投資理論

投資家の選好

ポートフォリオ理論

CAPM

リスクニュートラル・プライシング

デリバティブの評価理論

債券投資分析

株式投資分析

デリバティブ投資分析

他の科目に比べて、試験の範囲が多岐にわたることがわかるかと思います。

必要な前提知識

特にありません。

ぶっちゃけ経済系の大学生の方は、かなり楽に感じる試験かと思います。

逆に、数学系の人は意外と苦戦する人も多いようです。

あまり数学のできすぎる人は、

「証明できるものは試験場で証明すればいい!」

というスタンスで臨める分野もありますが、KKTではそういった

「数学力で殴る」

戦略が不可能であることもアクチュアリー試験の難しさと言えます。

Businessman holding a clipboard studying the upward and downward arrows

あと、経済系の学生は大学の授業でなんとかなることから、大学3年生で受験しておいて科目を持っておく、という人もいます。

就活で「1科目持っています」とアピールできますからね。文系の人は積極的にチャレンジしてみるとよいのではないでしょうか。

ちなみに、就活で科目数を聞かれることはよくあるので、数学とKKTを受験しておいて科目持ちの状態で就活に臨むのも最近よくあるパターンです。

参考書

以下の本を使って対策をします。

過去問

新証券投資理論Ⅰ

証券アナリスト 1次試験過去問題集 証券分析

入門経済学 第3版

財務会計講義

簿記2級過去問

基本的にこれらをやっていれば大丈夫です。

ポイントとして、KKTのアクチュアリー対策用の参考書はほぼありません。

よって、KKTの勉強はアクチュアリー向けでない参考書をうまく使っていく人が多いです。

教科書自体のクオリティも高いので、そのままでの学習も可能です。しかし、特に会計学は初見ではきつい人も多いと思うので、軽く入門的な本を本屋で探してみてみるとスムーズに入れると思います。

わざわざ会計学の本は買わなくても、図書館などで2週間だけ借りてザッと流し読むだけでもオッケーです。

KKTの本は、図書館にもかなり充実しています。見てみるとわかりますが、時代を経ても基本的な考え方が変わるものではないので、読んでみると参考になるでしょう。

証券アナリストにしろ簿記にしろ、会計学や経済学自体の内容は変わりません。せっかくなら、他分野の資格の教科書を使って金融系の知識を学んでみると面白いでしょう。

また、資格関連の書籍は書籍数が多くクオリティの高いものが多いので、金融系でかつ会計、経済、投資系の本を本屋で見に行ってみると楽しいと思います。

過去問

過去問演習はもちろん重要です。

ただ、理論の勉強を前提としている問題が多い印象です。教科書系の本を読んでまず理論をイメージとして理解できるようにしてから過去問をこなしていきましょう。

過去問は、会計と経済と投資理論それぞれで別に進める人もいますが、1年分を通して解くのがオススメです。

なぜなら、その1年のセットの中で時間配分などを学んだほうがいいからです。2回目以降は、問題を集中的に解けるようになる意味で科目ごとに解いて、解説を読むことで学んでも良いでしょう。

新証券投資理論Ⅰ

証券アナリスト向けのテキストとして、20年以上前から使われている投資理論の解説書です。

簡潔な言葉で理論が説明されていて、内容は簡単ではないはずなのに読みやすいです。アクチュアリーの出題に沿った内容を学べます。

アクチュアリー試験の問題も、この本からとても関連性の深いものが出ます。

証券アナリスト 1次試験過去問題集 証券分析

証券アナリストの本ですが、使えます。

アクチュアリー参考書とは異なった視点から理解するために利用しましょう。

入門経済学 第3版

経済の問題は全てここから出題されます。

あくまでアクチュアリー試験に受かるだけなら、読む書籍はこれ1冊でも大丈夫です。

読む章は、1~5章と10~13章だけでいいです。

他の章は読み飛ばしてかまいません。(興味のある人は読んでみるともちろん面白いと思います。教科書自体が、非常に経済学への興味をそそる内容です)

経済学は毎年「面白い」と感じる先輩も多いので、気になる人はぜひ他の本も含めて知識を得ていくのがオススメです。

財務会計講義

この本は、試験にそのまま出ます。

他の科目では珍しいレベルでそのまま出題されるので、教科書を大事にしましょう。

範囲が広く、会計学にもっとも時間を取られている人が多い印象です。

この本は1章から12章まで全て読んでおかなければならないです。

一番手間と時間がかかる科目になることを覚悟しなければならない教科です。

KKTの勉強をするときは、会計学の勉強を中心に据えて、残りの時間で経済学と投資理論を少しずつ勉強していく、というイメージになります。とにかく、会計の量が多いです。

ちなみに、この本は毎年改訂版が3月に出ています。あくまでウワサですが、改訂されたところが試験に出るとか…。

なので、中古のものをメルカリなどで買うのではなく、本屋に行って最新版を買うようにしましょう。KKTの試験に落ちると、翌年にまた新しい本が出るので、2回買うハメになります笑

簿記2級過去問

簿記の範囲とかぶりがあるので、やっておきましょう。入社後も役立つので、簿記2級もついでに受けておくといいかも知れません。

やはり目標があったほうが頑張れるので、ひとつ試験として受けておくと会計学の勉強モチベーションが上がるでしょう。

補足的な知識ですが、教科書類はメルカリで買うと安いです。半額以下で買えることもたくさんあります。トータル5000〜10000円ほど得できると思うので、ぜひ探してみてください。

毎年12月ごろに出品が多くなるような気がします。笑

教科書は、きちんとそろえようとするとかなりの金額になります。

安く手に入れれば、冊数が多くなってもお財布にやさしいですね。

学習プラン

以下の手順で進めます。

教科書熟読

過去問演習

わからないところを戻る

(普段から)KKT関連分野の本を読む

以下でそれぞれ、詳しく説明します。

1 教科書熟読

基本的にKKTは教科書をゴリゴリやっていけば合格できます。

教科書の内容そのままのような出題も多いので、教科書を大事にしましょう。KKTは教科書が頼れます。ただ、特徴として、試験に関係のないページがたくさんあります。

不足することはありませんが、オーバーワークになることが多くなります。なので、試験範囲をしっかりと把握した上で、それに沿った対策をする必要があります。

2 過去問演習

過去問で実際の形式の演習を積みましょう。

教科書の内容が頭に入っていれば、難なく解ける問題が多いと思います。

3 わからないところを戻る

1度で暗記できるものも少ないと思うので、わからないところは適宜教科書に戻ります。

参照したページには付箋をつけるなどして、教科書を使いつぶしましょう。

KKTの教科書はどれも分厚いので、付箋をつけるなどして復習する箇所を絞るのが重要です。でないと、自分が勉強すべき範囲が離散的になってしまい、「あれ、どこを勉強すればいいんだっけ?」となってしまいます。

大事なのは、最短の時間であなたの点数をあげるような勉強をすることです。付箋でなくスマホにメモしておく、PCに単語集を作るなど様々な方法が考えられますが、あなたの理解していない場所を的確に把握できるような仕組みを作っておきましょう。コスパのいい勉強ができるはずです。

4 (普段から)KKT関連分野の本を読む

KKTは数学っぽくないので、普段からKKT分野の本を読むなどして慣れ親しむと教科書の中のロジックや前提を理解しやすくなります。専門用語も、本を読んでいく中でわからないものをググっていけば自然と身につきます。意識してKKTに触れるようにしましょう。

まとめ

KKTは、しっかりとスケジュールを立てて勉強していけば攻略できる科目です。勉強を着実に進めていきましょう。

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