【23卒・24卒の方向け】アクチュアリー就活をした理由と実務の体験談【つらい?なるには?英語は必要?】

はじめまして。現役アクチュアリーとして働いています。寄稿として書かせていただきます。雑多な内容ですが、就活の記憶を忘れないうちに、就活の動機や体験談、アクとして働く感想について書いていきます。

ES の書き方や面接の乗り切り方などのノウハウではなく、就活をした動機や就活中に感じたことについてお届けできればと思っています。

プロフィール 

旧帝大の数学系の学部を卒業しています。大学時代は一時期数学者を目指していましたが挫折して、それでも数学を仕事にしたいと思い、アクチュアリーを目指しました。

大学時代は科学系のサークルに所属していました。アルバイトは塾講師と、少しだけ居酒屋バイトをしていましたがすぐにやめました。

アクチュアリーを目指した動機

アクチュアリーを目指した動機としては大きく分けて二つあります。

・数学を仕事にできるから

・給与が高いから

実際周りと話をしていてもこういった動機で目指す人がかなり多いように感じます。(類が友を呼んでいるだけという説もありますが笑)

アクチュアリーを初めて知ったのはインターネット上のサイトでした。そこではアクチュアリーはホワイト高給と書かれていて、転勤がなく数学を専門性として活かせるということで、かなり興味を持ちました。他の職業としてはデータサイエンティストや数学系のサイエンスライター、後はメーカーの研究開発職なども考えていましたが、 ダイレクトに数学につながる仕事を他に知らなかったということもあり私の就活はアクチュアリー一本になりました。

自分の周りでも実際アクチュアリー一本で進める人は予想以上に多かったです。 というのもインターネット上にアクチュアリーを褒め称える記事がたくさんあるからです。これだけの記事を読み込んでいると一種の洗脳状態になってアクチュアリー以外には考えられないという思考回路にはなるのでないでしょうか。

自分もその一人でアクチュアリー以外は考えられなくなっていました。

ちょっと話がそれますが、幼少期から、あまり対人関係が得意ではありませんでした。女の子にモテるほうでもありません。しかし、数学にはずっと興味がありました。平均よりは圧倒的にできると思います。駿台模試の偏差値で70を切ることがあまりない、ってくらいできました。これを仕事にできたらいいのに、と漠然と思っていました。長所を持って短所を補う、という生き方がしたいなと思いました。

高校時代には勉強漬けでした。第一志望ではありませんでしたが無事に大学に合格し、入学後は大学2年生までサークル活動などに打ち込んでました。就活を考え始めたのは大学3年生の時です。大学生活は、講義を受けてサークル活動に参加し、終わったらバイトに行くという一定のサイクルで繰り返していて、とりたてて学生団体などで活動した人間ではありません。ガクチカについては、なんとかひねり出してつくりました。

就活の変遷

私の就活は夏のインターンシップから始まりました。インターンシップでは 正直圧倒されました。今までに見たことのないような優秀な人たちがそこにいたのです。今まで私の周りにいたのはせいぜい数学の勉強ができるような人たちでしたが、インターンシップの現場にいたのは数学以外のコミュニケーション能力にも長けたような人たちやサークルでリーダーシップを持って活動してきたような人ばかりでした。

アクチュアリーを目指す人は数学系の人が多いので数学の能力が学部内でのヒエラルキーに直結している部分もあると思いますが、ここで就活におけるヒエラルキーと数学科におけるヒエラルキーの違いを実感する人もいると思います。また大学時代は自分の周りの人というのは自分と似た人になりますから必然的にかけ離れた人との接触機会は少なくなりますなので、就活において初めて自分のレベルを実感するという人も良くも悪くも多くなると思います。自分の場合は夏のインターンシップで自分の力不足を思い知りました。

そこで秋からはコミュニケーション能力の強化のためにアクチュアリー以外のインターンシップにも応募しました。例えばゲーム会社のインターンシップでゲームの企画のまねごとをしてみたり、 it 系の高度な専門職のインターンシップにも参加しました。証券系の会社でクオンツっぽい仕事をしたことは、 アクチュアリーとの違いを掴むのに効果的だったと思います。秋から冬にかけては相当な数のインターンシップに行ったおかげでコミュニケーション能力がそれまでよりも上がりました。クオンツのインターンでは、職人っぽい数学系博士の方とかがいて、アクよりももっとアカデミックな感じでした。コンサルとか、ファンドに興味のある人も多い分野でした。アク志望者とはちょっと毛色が違いますね。

就活中に感じたこと

私が就活の中で感じたこととしては、旧帝大における圧倒的に数学ができるということはあまり社会においては役立たないということです。これは私にとって悲しくもありましたが励みにもなりました。というのも学部での中では私は数学の研究者になれるほど頭が良くはありませんでしたが、そのレベルでも就活では戦えるということは分かったからです。むしろあまり数学ができすぎる天才だと、文系の人が多くを占める保険会社や銀行というフィールドではむしろ不利である可能性すらあります。その点で適材適所に自分は入ることができたと思います。

あと、アクチュアリーを目指す人ってぶっちゃけ金融系に入りたいって訳じゃなくてアクチュアリーになりたいだけなんですよね。 つまりアクチュアリーという職業自体に魅力を感じているのであって保険会社自体の志望動機が弱いことが多い。この部分については就活中も入社後も他の保険会社志望者と大きなギャップを感じる可能性があります。就活生のうちに本当に保険会社にあなたは行きたいのかを考える時間をとることをお勧めいたします。

就活の結果

結果としていくつかアクチュアリー内定を頂くことができました。アクチュアリーという職業についてもう少しリアルなところをお話ししておくと、思った以上に数学を使うことはないなと思いました。(最近は各所で、これがよく言われてますね)

日常的な作業としてはプログラミングの簡単なものであったり、エクセル作業をすることがほとんどです 。 またアクチュアリーしかできない仕事というのは一部であり主に経理の仕事など一般的な総合職と変わらない仕事を任されることもよくあります 。

この部分については上司の方針であったり部署の方針が大きく働きます 。 就活生の頃は会社ごとの違いについてフォーカスしがちですが実際社会人としてアクチュアリー生活を送る上では部署や上司の空気感の方が圧倒的に大事になります 。 また同僚との間でもかなり差がつきます 。 例えば他の人は定時退社しているのに、自分だけが10時に退社ということも多くあります 。

この部分についても就活生の解像度が低かったと思わざるを得ません 。 というのも就活生の頃はまるまる生命はブラックなどという言及をしますが、会社ごとの平均値の話をしているに過ぎないからです 。 実際には就活生が思っている以上に、企業内での分散が大きいと思っていた方が良いと思います。まあこのへんは、就活生の時は想像がつかないのも無理はないなと思います。

アクチュアリー就活をしてよかったか

結論から言うとアクチュアリー就活をして良かったと思っています 。 というのもアクチュアリーは若干就活生の夢が膨らみすぎている節がありますが間違いなく数学を活かせる職業であることは確かです 。 また自分の場合生保の会社にアクチュアリーでない総合職として内定しようと思うと営業力であったりコミュニケーション能力が足りていないので内定はしなかったと思います 。

自分のような数学系でゴリゴリの人材が保険会社に採用されること自体がアクチュアリーという職業の枠内であるからだと思っています 。 転職市場であまり困らないことは事実ですし、若いうちから高給をもらうことができます 。 この部分については金融系の平均的な給料が高いことにも由来しますが社会人になってからお金に困ったという体験はあまりしていません 。 先輩方もお金についてはかなり満足をされているようです 。 私は数学者になることはできず大学生の頃は劣等感を持っていましたが今は社内で数学ができるポジションとして重宝されているのでとても良いなと思います 。

旧帝大の数学系学科にいると気づきませんが世の中の大半の人は数学ができません 。 自分の才能を活かす場が社会においてそれも高給をもらえる環境に置いて存在するというのはありがたいことだなと思います 。 大学の時に周りのできる人を見すぎて数学に対して自信をなくしたい数学が嫌いになってしまうこともありましたが、今になって社会に貢献できている感覚を得られているので自分の長所を肯定できた気がします 。

あとはアクチュアリー同士のつながりが強いこともアクチュアリーになってよかった理由です 。 アクチュアリー同士のつながりはコミュニティが狭いぶん、連帯感が他のデータサイエンティストやメーカーの研究開発職よりも強いのだろうなと大学時代の同期と話をしていて思います 。 特殊な仕事であるぶんこういったメリットもあります 。

周りのアクチュアリーはどんな仕事をしているか

経理の仕事をしている人が多いのですが、かっちりと数字を合わせることや上司への報告書を作ることが多いです。パワポと Excel をほとんど一日中使ってます。日によっては外部との話し合いに参加することができます。この時にはアクチュアリーというプロフェッショナルを持って仕事できている感覚があるのでとても楽しいです。

若手のうちからプログラミングに触れている人もかなりいます。この部分はあまり就活時代は認知していなかったのですが、社内システムにおいてアクチュアリー数学を使おうとするとどうしてもプログラミング的な部分は切り離すことができません。余裕があれば大学時代に最低限 Python の知識ぐらいは身につけてはおけば、今もっと楽だったのかなと思います。

数学も実際業務で使います。アクチュアリーの間では、生保数理の教科書内容くらいは共通言語として使われているイメージです。自分の会社では、正会員とか準会員の人も結構いるので、恵まれているなと感じます。

英語の必要性についてはよく議論をされますが、正直あまり使いません。たまに英語のメールが届くくらいです。ただ、英語を使えると、海外との仕事などを今後やる際にチャンスをつかめるのだろうなと思います。上司を見ていても、英語ができる人がアドバンテージを掴む場面を目にしたりします。あとは、転職市場では有利です。英語は勉強することをおすすめします。まあ、まずはアク試験が優先だと思います。

社内では、他の資格試験を受けることも半分義務になってます。保険系の、アクとは関係ないやつです。地味にこれの負担が大きいので、英語まで手が回っていない人が多いです。学生時代に、英語はある程度やっておきましょう。

楽しく働いているアクチュアリーの特徴

あと楽しく働いているアクチュアリー の特徴もお伝えさせていただきます。

一言で言うと社会人適性のある人です。つまりアクチュアリーでなくてもコンサルや保険会社の内定を持っているような人が実際アクチュアリーとしても活躍しています。身も蓋もないですがこれは事実です。と言うか大人になって働く上で数学だけで到達できる upside は限られていると思います。研究者の社会においても人間関係はとても大事にされますし、この泥臭い人間関係の部分を攻略できるかできないかは社会のあらゆるコミュニティにおける成功を分けるということを学びました。自分自身その部分がうまいとは思っていませんし今後もここにおいて卓越するつもりはありませんが、事実として観測したので書いておきます。

イメージで言うと、数学科に一人はいた、「数学科に見えないけど数学やらせるとできるやつ」みたいのが、やっぱり活躍しています。しかしこれは、科目の取得には反映されません。科目を取ることにおいてはどうしても勉強時間が律速になるので、昇給ペースとしては、私のように勉強ばかりの人種の方が早いイメージです。先輩を見ていても、勤勉さが学生時代以上に求められるのを感じます。

あと周りから見て成功しているかどうかはともかく私は楽しく仕事ができています。というのもアクチュアリーとして働く上で周囲にアクチュアリーがいる可能性が高いので、 社会人になってからも数学系の話題について盛り上がることができるからです。家で嫁と話すことも難しい話題ですし、職場でこういった話ができる友達がいる事は数学が本当に好きな人にとってはありがたいのかもしれません。

最後に

アクチュアリー就活については実際インターネット上に誤った情報もたくさんあります 。 これは入社してみると多くの人が感じることだと思います 。 しかしアクチュアリーという立場で個人で情報発信をする人はあまりいません 。 なぜなら入社すると副業を禁止されることが多いからです 。 これは金融系の会社ではオーソドックスな考え方だと思います 。 一部の若手社員はブログなどで発信をすることもありますが副業としての収益が立ちにくいことと本業が忙しくなってしまうことによって短い期間の発信で終わってしまう、または薄い発信で終わってしまうことも多いです 。

今回はこちらのメディアに記事を書かせて頂く機会を私はいましたが継続的に個人で発信していくつもりはありません 。 私の体験が少しでも皆さんのお役に立てば幸いです 。

またこちらの記事を掲載させていただいているオンライン塾MAXITでは就活講座を開催しています 。 私も内容を見させていただきましたが非常にリアルに基づいた効果的な対策をされていると思います 。 アクチュアリーには発信者が少ないという課題に正面から向き合っているのでかなり希少な立場ではないかと思います 。 宣伝しろと言われているわけではありませんがおすすめしておきます 。

アクチュアリーを目指す人は年々増加しているようですが私のように大学で数学に自信を失った人が輝ける場所としてかなり良いと思っています 。 経理系の雑用の様な作業も若手のうちは多いですが年次のが上の人を見るとかなり面白そうな仕事だなぁと思うものもよくあります 。 私は今のところこのキャリアを選んだことに後悔はしていませんし諸々含めてもやはり恵まれている職業だなあと思っています 。 私のこの体験が少しでも皆様のお役に立てば幸いです 。 最後までお読みいただきありがとうございました 。

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