【19卒】アクチュアリー就活体験談【1年間の流れとリアルな感想】

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この記事では塾長の2019年の就活体験記をまとめました。

情報はここ数年間で大きく更新されているためあくまで参考程度にして欲しいのですが、MAXITがどのような課題意識から生まれたのかがわかるはずです。

大学3年生の4月から1年間のスケジュールを時系列で説明します。

4月:アクチュアリーの情報収集

まず4月の段階ではアクチュアリー就活に関する情報収集から始めました。具体的には以下の方法です。

インターネットの情報

一番使えたのはこの情報です。しかし当時は今以上にアクチュアリーの情報が少なくもはや匿名掲示板ぐらいしか情報源がない状態でした。一部個人ブログのようなものはありますが所詮は個人の体験談であり体型的にまとまった情報は皆無でした。

大学のキャリアセンター

私の大学は幸いアクチュアリーがたくさん輩出されている大学だったのでアクチュアリーとコンタクトを取ることができるかもしれないと思いキャリアセンターに行きました。しかしキャリアセンターのOB名簿には保険会社への就職実績は書いてあるのですがアクチュアリー職種での内定かどうかは書いていませんでした。なのでアクチュアリーに絞って調べることができないと思い断念しました。またアクチュアリー就活のノウハウはキャリアセンターも持っていません。

今思えばOBにメールをしてアクチュアリーの人を紹介してくださいということも可能だったと思いますがそこまでの考えは当時はありませんでした。

市販の本

市販の本でも一部アクチュアリーについて書かれたものがあったので参照しました。しかしどうしてもアクチュアリーの就活というテーマに絞った本はありませんでした。また状況も変化していくため本は情報源としてあまり良くないと判断しました。就活情報は毎年著しい速度で更新されるのです。

なので一番役立ったのはネット上の情報という状態でした。

5月:試験勉強

現時点での情報収集には限界があると感じたため試験勉強に本腰を入れ始めました。夏以降は就活が忙しくなるため試験勉強の時間をなかなか取ることができません。なので早めのタイミングで過去問に入れるぐらいに受験科目のレベルを上げておくことで後のスケジュールにゆとりを持たせる作戦です。

結果としてこの作戦はうまくいったと思います。もし12月の試験で科目に合格する気があるのなら夏前に基礎を固めておくことは大事です。大学受験においては夏休みは一気に勉強ができる期間ですがアクチュアリー試験においては夏はインターンに参加しまくる時期なので勉強ができないのです。

まだ勉強の完成度には不安がありましたが最低限の基礎はできた感じです。

6月:サマーインターンのES応募

6月になるとインターンのES応募が始まります。ここで初めて自分のガクチカを意識したり志望動機を作ったりしました。しかし初めてのES提出の時には正直言ってボロボロの出来だったと思います。誰にも見てもらうことをせずに完全に我流でESをだしていました。これは高学歴あるあるなのかもしれないですが自分の頭に自信があったのです。受験の頃に理系科目だけでなく国語でも偏差値70以上を叩き出していた自分。しかも学歴もある。ESごときで落ちるはずがないと思っていました。

しかし結果としてESの通過率は良いとは言えませんでした。完全に受かるだろうと思っていた企業に落ちたのです。周りで自分よりも学歴の低い人たちが受かっているのを横目にESの大切さを実感しました。

そもそもの話ですがアクチュアリー就活をしている時点で自分の頭に自信がある人ばかりです。難関と言われる資格試験に自分から挑戦しようという人たちですから。その中で競争することを考えると高学歴は当たり前なのです。誤解のないように補足しておくとアクチュアリーになることは大して学歴がない人でも可能です。しかしESの段階でレベルとしては高いものを求められるという話です。

あと今思うとサマーインターンに参加したかどうかでその後の選考の有利さがかなり変わってくるのでここで慢心してしまうことは大きな痛手です。その事実に気づかなかった自分は準備の甘さを後悔することになります。

ただ、そんなことは誰も教えてくれなかったのです。誰かにサマーインターンは大事だよと言って欲しかった。学歴があっても平気で落ちるよと言って欲しかった。そのESじゃ落ちるよと止めて欲しかった。MAXITではサマーインターン前に入塾してくれた人にはESの添削をしていますが、これは私と同じ間違いをしてほしくないからです。

7月:サマーインターンの面接

多くの就活生にとって初めての面接はサマーインターンでしょう。自分にとっても初めての面接でした。ES同様に、ここでも玉砕することになります。学生時代に頑張ったことのエピソード自体は作っていたものの、ツッコミに対する対策を十分に考えられていなかったのです。なので面接中も答えに詰まることが何度もありました。また自分の面接の姿を客観的に見つめることもなかったため話し方など含めた総合的な印象が良くなかったと思います。周りに比べてあまり通過率はよくありませんでした。

あと対面なのでオフィスに行くことになるのですが、何回も迷子になりかけました。東京駅近辺のオフィスが多いので、余裕があったら一度散歩に行くことをお勧めします。夏は暑いので5,6月のうちに。その方がオフィス街の雰囲気に飲まれにくいです。自分は、大きなビルがたくさんあってびっくりしました。企業って大学と違って雰囲気も堅苦しいし、その中でも保険会社はかっちりしてます。何回も東京駅に行くだけでも、アウェイ感は和らぎました。

8月:サマーインターン参加

夏休みに入るとサマーインターンに参加をすることになります。

インターン参加しての学びと感想

今までは漠然と就活対策が周りに遅れているのではないかと面接などを通して思っていたのですがここで確信することになります。サマーインターンではエクセルやパワーポイントを用いたワークを行うことになるのですが、まずエクセルとパワーポイントの使い方からして周りの人は慣れていました。それに対して数学専攻で資料作成にもともと詳しいわけでもなかった自分は大きく遅れを取っていました。このことを夏の段階までは全く自覚することはなく、周りの数学科の学生と比べた評価でしか自分を見られなかったため就活生に対する自分の相対的な位置を把握するためにサマーインターンはとても有用でした。

特にコンサル会社を併願しているような学生は資料作成のスキルが段違いでした。最終日のプレゼンテーションで他のグループの資料を見ることになるのですがその差は歴然でした。またプレゼンテーション能力も大きく違っているのを感じました。アクチュアリーを目指す学生はどちらかというとコミュニケーションが下手な学生も多いですが、一部の優秀層はプレゼンテーションもしっかりとしたものでした。夏の時点である程度実力の差がついていると思います。

就活は大学入学時点で始まっているんだと気づきました。人前で話すことへの慣れやわかりやすい資料の作成などは大学の講義に取り組む中で身につく人も多いと思います。サークル活動やアルバイトで身につけた人もいるでしょう。そこで身につけた貯金がサマーインターンの時点で実力差として出てくるのです。

実力不足は感じたものの、ここで仲間がたくさんできたのはそのあとの就活にプラスに働きました。同じグループの人とはLINEグループを作るべきです。可能ならインターンの後の飲み会にもいった方がいいです。それだけで、秋以降の有利さが変わってきます。まあ、インターンに参加した上で飲み会行くなんて面倒くさいですが。有志での企画の場合は会社からお金も出ないのと、就活の話しかしないのでしんどいです。けど、インターン後の飲み会はコスパの良い情報収集だと思います。

インターンとセットの座談会に参加しての学びと感想

インターンには大体、社員座談会がセットでついてきます。ここでアクチュアリーに実際の業務について聞くことができます。多くの人にとって、ここが初めてアクチュアリーと接する場になります。ネットで調べた知識とのギャップにちょっとびっくりすることも出てきます。

例えば、年収や残業時間、業務で数学を使うかどうかなどは、落胆する人もいると思います。詳しくはMAXITサイトの別の記事を見て欲しいのですが、ネット上の情報よりも実際はきつい仕事だと感じました。ただ、しっかりと専門性を持って大きなお金を動かせる仕事なので、志望度が高い職種であることは変わりませんでした。

あとはアクチュアリーも部署ごとにだいぶ業務が異なることに気づきました。例えば、経理と商品開発の部署では全く業務内容も、関連する部署も異なります。一般的に年次が浅いうちは経理系の配属も多いので、「入社前に思っていたような商品開発業務ができない」という悩みもよく聞きます。部署ごとの具体的な業務など、アクチュアリーへの解像度が上がってくるのがこの座談会です。「数学を活かせる高収入な仕事」という解釈でサマーインターンを迎えた人は、仕事へのイメージが大きく変わるでしょう。

そして解像度が高まると、「サマーインターンで志望動機として語っていたことは非現実的だったなあ」と感じることになります。多くの人の解像度が高まる前の、サマーインターン選考の段階でこの内容を知っていればもっと通過率が高まったと思います。

9月:インターン参加者限定イベント参加

就活にはクローズドなイベントがあると前もって聞いてはいたのですが本当に来た時はびっくりしました。インターン参加者限定のイベントに招待されそこから選考フローにつながることがあったのです。

サマーインターンで会った人と再びここで会うことになります。いくつかインターンに参加していたので正直顔は知っている人も多くなりました。アクチュアリー就活においては限られた人数で内定を奪い合っている状況なのだと気づきました。とはいえ他人を蹴落とすという思考ではなく協力する姿勢の方が有利であることに多くの人は気づいていたようです。なので雰囲気は和やかなものでした。そもそも就活において蹴落とすもクソもないですから。いかに就活仲間を作って情報交換をして、こういったクローズドなイベントへも参加権を手に入れるかが大事です。企業ごとに選考フローは違うので、どこの企業にサマーインターンで参加すると本選考が有利になるかといった情報は死活問題です。

就活ってこういうクローズドな場所が大事なことが多いです。そんな就活システムおかしいと声高らかに叫びたいところですが、現実がこうなっているのでしょうがないです。おとなしくこの波に乗って、インターンに全力を注ぎましょう。世界を変えるのは社会人になってから。まずは、既存のシステムを熟知して対策を立てることです。

10,11,12月:試験勉強

この時期は就活らしいことは行わずに試験勉強に集中しました。一応全部の科目を受けましたが、勉強していたのは数学と生保くらいです。

アクチュアリー試験は年度によって難易度の波があるので、一応広く薄く勉強をしてビッグウェーブを狙うのが定石と言われています。自分の場合はゴリゴリ勉強をしていたというよりはサークル活動などに力を入れていたので、参考書プラス過去問を軽くやるくらいで試験に臨みました。受かろうと思ったら、全然勉強量が足りないですね。本来は10年分の過去問の解法をしっかり頭に叩き込むべきです。

しかしこれも今になって考えてみると戦略を間違っていました。本当は就活にフォーカスして面接対策を集中的に行うべきでした。今となっては多くの就活生が知っている、科目数が内定にさほど影響しないということも、当時はあまり広まっていませんでした。他の就活生たちも試験勉強に時間を費やしている人が多かったようです。

結果として試験では0科目。ここでアクチュアリーを目指すのを止めようか本気で悩みました。しかしアクチュアリーになりたいという思いはあったためアクチュアリー就活を続けました。

1月:ウィンターインターン参加

冬のインターンに参加しました。

インターン選考

インターンシップに参加することも慣れてきたタイミングです。このタイミングで面接対策について本気で考え始めることになります。自分の話すエピソードの中でよく聞かれることや答えるのが難しくなってしまう部分を洗い出し、どのような受け答えをするかを考え始めました。

本来このタイミングで考え始めるのは遅いですが、就活本番ということもありそろそろやらなければいけないと思いました。12月までは試験勉強への自分の中での優先度が高かったのです。

あとは19卒の代では、冬からインターン選考やインターン内で数理試験が課されます。今は夏から課されるこの数理試験ですが、当時は出題内容の予想がしにくく、びっくりしました。具体的には、当時よく損保で大問1つ分出題されたフェルミ推定などです。あとは選択問題のことが多かったですが生保や金融工学の問題も出たりと、事前情報で入手できなかったものが多かったです。

ネット上に一部情報がありましたが、インターンの選考フローはブラックボックスなところが多かったです。本当は秋時点で、ここの数理試験含めた対策をしていれば良かったと思いました。すでに忘れているような知識も多かったので、数理試験でインターン選考を落ちてしまうこともありました。まさしく初見殺しの選考内容が数理試験だなと思いました。

今になって思うのは、数理試験の大体の出題分野は決まっているので、適切に対策していれば難なく乗り切れるものでした。

夏と冬のインターンの比較

夏と冬のインターンではちょっと雰囲気が異なってきます。

みんな本気

冬のインターンで感じたのは、みんな夏に比べてちゃんと就活対策を本気でやっているということ。夏はお試し的な感じで参加する人も多かったですが、冬はそれに比べると本当にアクチュアリーを目指す人の割合が増えます。また、夏に内定を得た外資コンサル組は抜けます。

心が折れやすい

夏のインターンだとインターン参加選考に落ちても、「これからなんとかなる」という気持ちがありましたが、さすがに冬にインターンに落ちると、「この業界に向いていないのでは」といった気持ちになることもあります。同じ現象に対しての捉え方が夏と冬で変わると思いました。

2月:面談

2月になると、とうとう面談が始まります。

選考スタート

インターンシップに参加した会社の部長から電話で呼ばれたりすることが出てきました。「これは選考なのかそれとも違うのか」と迷いながらもこういった場所に行くことになります。面談では会社のことを聞くことになるのですが、前もって十分な下調べを行うことができていませんでした。他の会社との比較もしていなかったため、鋭い質問は全くできていなかったと思います。

ここでの反省として、2月の段階では企業研究までを終わらせているのが良いということです。ここは実質選考みたいなものなので、企業研究すらできていないと面接のエピソードがある程度優れていても落とされます。

ちなみに近年のアクチュアリー就活においてはインターンシップがほぼ本番なので、2月に企業研究を終わらせているのでも遅いです。早めに対策しましょう。あと、非通知の電話もちゃんと出るようにしてください。大丈夫だとは思いますが、毎年非通知の電話を取り逃がす人はいます。何回も出ないでいるとほかの人にお声がかかってしまうので、電話はいつでも出られる状態にしましょう。

研究との両立辛い

この時期に地味に辛かったのが、大学の研究との両立です。研究のまとめ段階に入ってくるので、インターンと被るとスケジュールが大変です。しかも冬なので、風邪を引くと詰みます。ここでスケジュールが破綻しないようにしましょう。研究に関してはスケジュールが詰めつめにならないようにすること。体調に関しては、外に出過ぎずに風邪などの予防を最大限やることです。1日の価値がこれから高くなっていきます。面談続きの時期は、1週間休んでしまうと致命傷になることもあります。就活自体の他に、研究と健康が大事です。

3月:面談

就活が本格化してきます。

メンタルやばい

3月になると周りが内定を持ち始めてきます。ここで新たに課題となるのがメンタルです。周りが内定を得ていく中で自分だけ内定がない状態はかなり落ち込みます。おそらく想像の10倍落ち込みます。自分は社会から必要とされていないのではないかという感覚になります。そんな不安ばかりのメンタルの状態で面接に臨むわけですからテンパりやすくなり負のループに陥ります。志望度の低い企業からは内定を得ていたのですが、3月の段階で第1志望群からは1個も得られませんでした。

意外と受からない

「いい大学に入っていい会社に入る」みたいな言葉がある通り、いい大学に入ればエリート街道まっしぐらだと想像してる人もいますが、間違いです。どんなにいい大学に入っても就活はきついです。なぜなら、入った大学を基準にして「いい企業」の基準が上がるからです。同級生よりも良い企業に入らないと納得はできません。だから、学歴によらず就活では「苦戦している」と感じる人も多いのです。特にアクチュアリー志望の学生はコミュニケーションが下手な人も多いのと、アクチュアリー採用の枠が狭いので、周りに比べて「自分は就活に苦戦している」と感じる人は多いです。

就活生の皆さんは、3月のメンタルは予想以上にやばいということを覚えておいてください。

4月:面談、内定

4月にようやく第1志望群の企業から内定を得ることができました。電話で連絡が来たのですが、その時には嬉しいというよりもこれで就活が終わるという安心感の方が勝っていました。それくらい3月のメンタルが不安定だったのです。

この時期になると、内定を得る人も多くなってきて、「どこの会社行くの」といった会話をアクチュアリー就活生同士でするようになります。ここで思うのは、本当に限られた業界にみんな就職していくということ。ほとんどが保険会社、または銀行です。アクチュアリー同士だと社会人になってからも繋がりが有利に働く、と言いますが、就活生の時点で「そうなるんだろうな」と思いました。

まとめ

このようにして就活のスタート自体は遅いながらもなんとか内定を取ることができました。数年前の実体験なので今とは異なることもありますが、大体の1年間の流れの一例として参考にしてもらえると幸いです。

この経験を通して感じたのは、「初見殺しの内容多すぎ」ってことです。インターン参加が実質必須だなんて知らないですし、アクチュアリーの業務を知れるサマーインターンの前段階である程度の業務理解が求められるという矛盾があります。そこでMAXITが掲げているのが「就活2週目状態を作る」という目標です。初見殺しの内容を事前に攻略しておくことで、周りよりも大きくリードできます。実際MAXITでは、OBにアクチュアリー内定者がいないような大学からの大手企業内定を多数輩出しています。自身の体験したのと同じ悩みを後輩に抱えさせないために、MAXITではアクチュアリー就活に特化してこれからも攻略していきます。

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